交感神経の作用はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
交感神経が活性化すると、闘争・逃走反応として身体は緊急時対応モードになります。瞳孔括約筋が弛緩し瞳孔散大筋が収縮するため瞳孔が拡大します。また、精神的ストレスによる発汗は交感神経の作用であり、特に手のひらや足の裏に顕著です。これは体温調節とは別のメカニズムです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。交感神経が活性化すると、瞳孔散大筋が収縮し、瞳孔括約筋が弛緩することで瞳孔が拡大します。これは光を取り込み、周囲の情報を多く得るための緊急反応です。選びやすい理由:交感神経の「闘争・逃走」反応において、視覚情報を取り込むために瞳孔が拡大するという生理的な連鎖を理解していると正答しやすいです。混同注意:副交感神経が瞳孔を縮小させる作用と混同する可能性があります。
- 2. 正解。精神的な要因(ストレス、緊張など)による発汗は、主にアセチルコリンを介した交感神経の作用によって引き起こされます。手のひらや足の裏に顕著です。選びやすい理由:発汗は体温調節として理解されることが多いですが、精神性発汗も交感神経の重要な作用であることを知っていると正答できます。混同注意:発汗がすべて体温調節のための反応(温熱性発汗)であると誤解し、体温調節は必ずしも緊急時対応ではないため、交感神経との関連を見落とすことがあります。
- 3. 腸の蠕動運動の活発化は副交感神経の作用です。交感神経は消化管の運動を抑制し、緊急時にエネルギーを温存・他の器官へ集中させます。正しくは:腸の蠕動運動は抑制される。選びやすい理由:自律神経の作用を曖昧に覚えていると、身体活動全般を促進すると誤解する可能性があります。混同注意:副交感神経の消化管運動促進作用と混同しやすいです。
- 4. 膀胱排尿筋の収縮は副交感神経の作用であり、排尿を促進します。交感神経は排尿筋を弛緩させ、尿道括約筋を収縮させることで排尿を抑制します。正しくは:膀胱排尿筋は弛緩する。選びやすい理由:自律神経の支配を膀胱のどの部位に作用するかまで詳細に把握していないと誤答しがちです。混同注意:排尿筋への作用と尿道括約筋への作用、および交感神経と副交感神経のどちらが排尿を促進・抑制するかを混同しやすいです。
- 5. グリコーゲン生成の促進(グリコーゲン合成)は、過剰なブドウ糖を貯蔵する反応であり、副交感神経が活性化する食後などの休息時に優位になります。交感神経はグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇させます。正しくは:グリコーゲン分解が促進される(またはグリコーゲン生成は抑制される)。選びやすい理由:エネルギー代謝における交感神経の役割を深く理解していないと、エネルギー貯蔵も促進すると誤解する可能性があります。混同注意:交感神経による血糖値上昇作用(グリコーゲン分解促進)と、副交感神経によるグリコーゲン合成促進作用を混同しやすいです。
国試ポイント
交感神経と副交感神経のそれぞれの作用を身体の各臓器・器官で正確に覚えることが重要です。特に瞳孔、心臓、消化管、膀胱、腺への作用を比較できるように整理しましょう。
混同注意
精神性発汗(交感神経支配)と温熱性発汗(交感神経支配だがアセチルコリン作動性)の機序の違い、または交感神経と副交感神経の支配を受ける臓器における拮抗作用を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各選択肢の反応が「活動・興奮(闘争・逃走)」と「休息・回復」のどちらの状況で起こるかを判断基準とします。
関連知識
交感神経は気管支拡張、心拍数増加、消化管運動抑制、立毛筋収縮、膀胱排尿筋弛緩、括約筋収縮などの作用があります。副交感神経はこれらと逆の作用を示すことが多いです(例:瞳孔縮小、心拍数減少、消化管運動促進)。