重症筋無力症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
重症筋無力症は、自己の免疫システムが誤って神経筋接合部のアセチルコリン受容体を攻撃する自己抗体を産生し、これにより神経から筋肉への信号伝達が阻害され、筋力低下を引き起こす疾患です。このため、自己免疫疾患に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 重症筋無力症は、若年層では女性に多く、高齢層では男女差が少なくなる、あるいは男性の比率が増える傾向がありますが、全体として「男性に多い」とは断定できません。正しくは:重症筋無力症は、特に若年層で女性に多く発症します。選びやすい理由:特定年齢層での男性発症の増加や、他の疾患との混同により、性差に関する知識が曖昧な場合に選ばれる可能性があります。混同注意:他の自己免疫疾患や神経筋疾患の性差と混同されることがあります。
- 2. 重症筋無力症は骨格筋の筋力低下を主症状とする自己免疫疾患であり、直接的に心肥大を引き起こす疾患ではありません。ただし、関連する胸腺腫が合併することがあり、また治療薬の副作用で心血管系に影響が出る可能性はありますが、直接の病態としての心肥大ではありません。正しくは:重症筋無力症は、骨格筋の筋力低下が主な症状であり、心肥大を直接生じることはありません。選びやすい理由:全身疾患や自己免疫疾患の複雑な合併症を連想し、心臓への影響も考えられると思ってしまう可能性があります。混同注意:特定のミオパチー(心筋症を伴うもの)や、他の全身性疾患における心臓合併症と混同されることがあります。
- 3. 重症筋無力症の症状は、活動によって筋疲労が蓄積し、夕方になるにつれて強くなる「日内変動」が特徴的です。朝方は比較的症状が軽いことが多いです。正しくは:重症筋無力症の症状は、活動に伴い筋疲労が蓄積するため、夕方になるにつれて強くなる傾向があります(日内変動)。選びやすい理由:「朝に症状が強い」という表現は、関節リウマチなどの他の疾患で聞かれるため、自己免疫疾患全般の知識と混同される可能性があります。混同注意:関節リウマチの朝のこわばりなど、他の疾患の日内変動と混同されやすいです。
- 4. 正解。重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体などに対する自己抗体が産生され、これが原因で筋収縮が障害される自己免疫疾患です。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
- 5. 重症筋無力症はどの年齢層でも発症しますが、20~30代の若年女性、および50~60代の高齢層にもピークが見られます。特に「70歳以上に好発」と限定するのは誤りです。正しくは:重症筋無力症は20~30代の若年女性に多く、また50~60代の高齢層にも発症のピークがあります。選びやすい理由:高齢発症型の存在を知っている場合に、その情報を過度に一般化して誤って選択する可能性があります。混同注意:他の老年期に発症する神経変性疾患や、特定の疾患の高齢発症型と混同されることがあります。
国試ポイント
重症筋無力症の病態生理、特に自己免疫機序であること、症状の日内変動(夕方に増悪)、好発年齢・性別といった基本的な疫学的特徴、および合併症について正確な知識が問われます。
混同注意
多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、Lambert-Eaton症候群などの他の自己免疫性神経疾患や神経筋疾患との鑑別ポイントが混同されやすいです。特に症状の日内変動については、他疾患の変動パターンと誤解しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、重症筋無力症の『病態(自己免疫性)』『日内変動』『性差・年齢層別の特徴』『主な合併症(胸腺腫)』に注目して選択肢を検討しましょう。
関連知識
自己免疫疾患の一般原則、神経筋接合部の機能、アセチルコリンの役割、胸腺腫との関連性、治療法(ステロイド、免疫抑制剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬など)と副作用。