入院して間もない片麻痺がある患者から「着替えがうまくできない。ひとりでできるようになりたい」と訴えがあった。最初に行う看護師の対応で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
患者さんが「着替えがうまくできない。ひとりでできるようになりたい」と訴えている場合、看護師はまず患者さんの現状の能力や困難な点、代償動作などを具体的に把握する必要があります。そのため、「どのように着替えているか、一度拝見させてください」と声をかけ、実際の動作を観察することが最も適切な初回対応となります。これにより、患者さんの具体的な課題を特定し、個別性のある支援計画を立てるための基礎情報が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者さんの現在の状況や何に困っているかを把握せず、いきなり練習を促すのは適切ではありません。まずは評価が必要です。正しくは:患者さんの現在の能力を評価した上で、具体的な練習方法や目標を提示する。選びやすい理由:自立を促す声かけとして聞こえるが、具体的なアセスメントが欠けているため最初の一歩としては不適切。混同注意:患者の意欲を尊重しているように見えるが、アセスメントを飛ばしては効果的な支援に繋がらない。
- 2. 患者さんは「ひとりでできるようになりたい」と自立への意欲を示しています。最初から全てを介助する姿勢は、患者さんの意欲を損ねる可能性があります。どの部分で困っているのかを特定することが重要です。正しくは:患者さんが具体的にどの動作で困っているのかを確認し、必要に応じて部分的な介助や工夫を提案する。選びやすい理由:支援的な姿勢ではあるが、患者の自立への希望と乖離している。混同注意:介助を申し出ることは一見親切に見えるが、患者の「自分でやりたい」という主体性を尊重していない。
- 3. 正解。患者さんが具体的にどの動作で困難を感じているのか、どのような方法で着替えようとしているのかを観察することで、その患者さんに合った支援方法やアドバイスを見つけるための適切な情報収集ができます。これが問題解決の第一歩となります。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:特になし。最も適切なアセスメントである。混同注意:患者の訴えに対し、まず現状を把握しようとする姿勢は基本中の基本である。
- 4. パンフレットは一般的な情報提供には有効ですが、片麻痺の患者さんの具体的な困難や能力に合わせた個別の支援には直結しません。まずは患者さんの現状を評価することが優先です。正しくは:患者さんの状態を把握した上で、必要に応じて補足的な情報としてパンフレットを提案する。選びやすい理由:情報提供は教育的介入の一部だが、個別性のある問題解決には向かない。混同注意:情報提供自体は悪いことではないが、目の前の患者の具体的な困難を解決するには不十分である。
国試ポイント
患者の訴えに対して、まず現状を具体的にアセスメント(情報収集・観察)することの重要性。特にリハビリテーション看護においては、患者の残存機能と困難な動作を評価することが支援の第一歩となる。
混同注意
自立支援を促す選択肢(1)や、介助を申し出る選択肢(2)も一見適切に見えるが、アセスメントを飛ばしては個別性の高い支援には繋がらない。また、情報提供(4)も個別対応の前に来るべきではない。
次に同じ論点が出たら
観察後、具体的な困難点に応じて、自助具の検討、動作指導、環境調整、または部分的な介助の提供などを計画する。
関連知識
ADL(日常生活動作)の評価、残存機能の活用、個別性のある看護計画の立案、患者中心のケア。