狭窄による血流低下で二次性高血圧を起こす血管はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
腎動脈が狭窄すると、腎臓の血流が低下します。腎臓はこの血流低下を感知し、レニンというホルモンを分泌します。レニンはアンジオテンシノーゲンに作用してアンジオテンシンIを生成し、さらにアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換されます。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用を持ち、また副腎皮質からのアルドステロン分泌を促進し、ナトリウムと水の再吸収を増加させます。これらの作用により、全身の血管抵抗が増加し、循環血液量が増加するため、血圧が上昇し二次性高血圧(腎血管性高血圧)を引き起こします。
選択肢ごとの解説
- 1. 冠動脈の狭窄は狭心症や心筋梗塞の原因となりますが、二次性高血圧の直接的な原因とはなりません。正しくは:冠動脈の狭窄は心筋への血流低下を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の原因となる。選びやすい理由:血管の異常が高血圧に関連すると考えがちだが、直接的な機序が異なる。混同注意:動脈硬化による血流障害と二次性高血圧の機序を混同しやすい。
- 2. 肝動脈の狭窄は肝臓への血流低下を引き起こし、肝機能障害の原因となる可能性がありますが、二次性高血圧の直接的な原因とはなりません。正しくは:肝動脈の狭窄は肝臓の血流を減少させ、肝機能に影響を与える可能性がある。選びやすい理由:内臓の血管として選択肢になりうるが、高血圧との関連性は薄い。混同注意:他の内臓血管の機能と高血圧との関連を明確に区別できない場合がある。
- 3. 頸動脈の狭窄は脳への血流低下を引き起こし、脳梗塞の原因となる可能性がありますが、二次性高血圧の直接的な原因とはなりません。正しくは:頸動脈の狭窄は脳への血液供給を阻害し、脳虚血や脳梗塞のリスクを高める。選びやすい理由:重要な血管であるため、何らかの循環器疾患と結びつけやすい。混同注意:脳虚血と血圧調節の関連性を誤解することがある。
- 4. 正解。腎動脈が狭窄すると、腎臓への血流が減少します。これにより腎臓は血流不足と判断し、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を活性化させます。この系が活性化されると、体内の血管が収縮し、水分やナトリウムが貯留されるため、血圧が上昇し二次性高血圧(腎血管性高血圧)を引き起こします。
- 5. 脳動脈の狭窄は脳への血流低下を引き起こし、脳虚血や脳梗塞の原因となる可能性がありますが、二次性高血圧の直接的な原因とはなりません。正しくは:脳動脈の狭窄は脳組織への血流を減少させ、虚血性脳疾患の原因となる。選びやすい理由:脳と循環器系の関係を漠然と関連づけてしまう。混同注意:脳の血流障害と全身の血圧調節機構を区別できない場合がある。
国試ポイント
二次性高血圧の原因となる疾患と、その病態生理を理解しているかが問われています。特にレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の理解が重要です。国家試験では、特定の臓器の機能と全身への影響を結びつける知識が頻繁に出題されます。
混同注意
冠動脈や頸動脈など、他の主要な動脈の狭窄が引き起こす病態と混同しやすいですが、それぞれ異なる機序で症状が現れます。
次に同じ論点が出たら
腎血管性高血圧の診断方法(腎動脈造影、レニン活性測定など)や治療法(経皮的腎動脈形成術、薬物療法など)について知識を深めましょう。
関連知識
二次性高血圧の原因疾患には、腎血管性高血圧の他に原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、睡眠時無呼吸症候群などがあります。それぞれの疾患の病態生理と血圧上昇の機序を理解しておくことが重要です。