術後の回復過程でエネルギー不足の場合にケトン体の供給源となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
術後の回復過程でエネルギーが不足すると、体は脂肪を分解して脂肪酸を生成します。肝臓でこの脂肪酸がβ酸化されることでアセチルCoAが生じ、それがケトン体へと変換されます。ケトン体は脳や筋肉など、全身の様々な組織でエネルギー源として利用されるため、脂肪酸がケトン体の主な供給源となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳酸は解糖系の最終産物であり、嫌気性代謝によって生成されます。エネルギー源として利用されることはありますが、ケトン体の直接的な供給源とはなりません。主にグルコース代謝に関連し、コリ回路などで再利用されます。正しくは:乳酸はケトン体の直接の供給源にはなりません。選びやすい理由:エネルギー代謝に関わる物質なので、選択肢として考慮するかもしれませんが、ケトン体生成の経路とは異なります。混同注意:乳酸と脂肪酸の代謝経路の違い
- 2. 尿酸はプリン体の代謝産物であり、主に体外へ排泄される老廃物です。エネルギー源として利用されることはなく、ケトン体の供給源となることもありません。正しくは:尿酸はケトン体の供給源ではありません。選びやすい理由:生体内の物質であるため、代謝と関連があると誤解する可能性があります。混同注意:尿酸と他の代謝中間体の区別
- 3. 正解。術後の回復期にエネルギーが不足すると、体は脂肪組織を分解して脂肪酸を生成します。この脂肪酸が肝臓でβ酸化を受け、アセチルCoAとなり、最終的にケトン体(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン)が生成されます。ケトン体は脳や筋肉などの主要なエネルギー源として利用されます。正しくは:脂肪酸がケトン体の主要な供給源です。選びやすい理由:正解肢混同注意:脂肪酸と糖質、蛋白質のエネルギー源としての役割
- 4. 蛋白質はアミノ酸に分解され、糖新生の材料やエネルギー源となることはありますが、ケトン体の主要な供給源ではありません。アミノ酸の中にはケトン体生成アミノ酸(ロイシン、リシンなど)もありますが、エネルギー不足時の主要なケトン体生成経路は脂肪酸の分解です。正しくは:蛋白質は主要なケトン体の供給源ではありません。選びやすい理由:蛋白質もエネルギー源となるため、混同しやすいです。特に飢餓状態ではアミノ酸の一部がケトン体生成に寄与しますが、主要な経路ではない点がポイントです。混同注意:蛋白質の分解経路とケトン体生成経路の関係性
- 5. アンモニアは主にアミノ酸代謝の過程で生じる有毒な物質であり、肝臓で尿素に変換されて体外に排泄されます。エネルギー源として利用されることも、ケトン体の供給源となることもありません。正しくは:アンモニアはケトン体の供給源ではありません。選びやすい理由:体内で産生される物質であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:アンモニアと他の代謝産物の違い
国試ポイント
生体内のエネルギー代謝、特に糖質、脂質、蛋白質の相互変換とケトン体生成経路に関する知識が問われています。術後や飢餓状態など、糖質が不足した際の脂質代謝の役割を理解しておくことが重要です。
混同注意
乳酸、尿酸、蛋白質などの他の代謝関連物質とケトン体生成経路を混同しないように注意が必要です。特に蛋白質はエネルギー源ともなり、一部のアミノ酸はケトン体生成にも関与しますが、主要な供給源は脂肪酸であることを明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
ケトン体が過剰に生成される状態(糖尿病性ケトアシドーシスなど)の病態生理と看護のポイントは何か。
関連知識
β酸化、糖新生、TCA回路、アセチルCoA、ケトン体の種類(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトン)、飢餓時のエネルギー代謝