妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる一連の異常が胎児に発生するリスクが高まります。CRSの代表的な症状には、先天性心疾患、白内障、そして感音性難聴が含まれ、特に難聴は高頻度で認められる重要な合併症です。他の選択肢の感染症も胎児に影響を及ぼす可能性はありますが、妊娠初期感染における難聴の発生頻度が高いのは風疹が最も知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 水痘ウイルスへの妊娠中の感染は、胎児水痘症候群を引き起こす可能性がありますが、難聴は主要な症状ではありません。皮膚病変、眼の異常、四肢形成不全、中枢神経系異常などが主な合併症として知られています。正しくは:水痘ウイルスへの妊娠中の感染は、胎児水痘症候群の原因となり、皮膚病変、眼の異常、四肢形成不全、中枢神経系異常などを引き起こしますが、難聴は主要な症状ではありません。選びやすい理由:ウイルス感染症であるため、胎児に影響を与える可能性を連想しやすいですが、具体的な症状を正確に把握する必要があります。混同注意:他の先天性異常を引き起こすウイルス感染症と混同しやすい。
- 2. 正解。妊娠初期(特に妊娠12週未満)に風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群(CRS)を引き起こす可能性が非常に高まります。CRSの三大症状として、先天性心疾患、白内障、そして感音性難聴が含まれており、難聴は特に高頻度で発生する重要な症状です。正しくは:妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群(CRS)の発症リスクが高まります。CRSの三大症状には、先天性心疾患、白内障、そして感音性難聴があり、難聴は主要かつ高頻度な合併症です。選びやすい理由:他のウイルス感染症も胎児に影響を与えるため、迷うかもしれませんが、風疹は難聴との関連が特に強いことを知識として持つ必要があります。混同注意:他の発疹性疾患と混同し、風疹特有の胎児への影響を認識できない場合がある。
- 3. 麻疹ウイルスへの妊娠中の感染は、流産や早産のリスクを高めますが、胎児に先天性の形態異常(奇形)を引き起こす可能性は低いとされています。難聴も先天性麻疹症候群の主要な症状としては挙げられません。正しくは:妊娠中に麻疹ウイルスに感染すると、流産や早産のリスクは上昇しますが、胎児に先天性の奇形を引き起こすことは稀です。難聴も麻疹による胎児への主要な影響ではありません。選びやすい理由:他の発疹性ウイルス疾患と同様に、胎児への影響を疑うかもしれませんが、麻疹の胎児への影響は主に流産・早産です。混同注意:風疹と同様に発疹を伴うため、胎児への影響も同等であると誤解しやすい。
- 4. 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ウイルスへの妊娠中の感染は、胎児への明確な影響は少ないとされています。報告によっては流産リスクの上昇が示唆されることもありますが、先天的な形態異常や難聴を引き起こすリスクは極めて低いと考えられています。ただし、小児期に流行性耳下腺炎に罹患した場合、感音性難聴を合併する可能性はありますが、これは胎内感染とは異なります。正しくは:妊娠中に流行性耳下腺炎ウイルスに感染しても、胎児に先天的な奇形や難聴を引き起こすリスクは低いとされています。流産のリスク増加の可能性は示唆されることがあります。なお、小児期に本疾患にかかることで感音性難聴を合併することはありますが、これは胎内感染とは別の経路です。選びやすい理由:「耳下腺炎」という名称から耳に関連する問題(難聴)を連想しやすいかもしれませんが、胎内感染における直接的な難聴リスクは低いです。混同注意:小児期の発症と胎内感染による影響を混同し、胎児への難聴リスクがあると誤認しやすい。
国試ポイント
妊娠中の感染症が胎児に与える影響、特に先天性異常との関連性について正確な知識が問われています。風疹による先天性風疹症候群の主要な症状(心疾患、白内障、難聴)は特に重要です。
混同注意
麻疹や水痘など、他の発疹性ウイルス疾患と風疹の胎児への影響を混同しやすい点が挙げられます。それぞれの感染症が胎児に及ぼす特有の合併症を明確に区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この問題を通して、妊娠中の感染症と胎児への影響に関する知識が不足していると感じた場合は、TORCH症候群の各疾患について、胎児への主な影響、感染時期とリスク、予防策を詳しく学習する必要があります。
関連知識
トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症、ヘルペスウイルス感染症などのTORCH症候群に含まれる他の感染症が胎児に与える影響についても関連知識として押さえておくことが重要です。また、それぞれの感染症に対する予防策(ワクチン接種など)も理解しておくと良いでしょう。