患者の足底と杖をつく位置を図に示す。 両上肢の動きに制限がなく、右下肢に軽度の筋力低下がある患者の三点歩行で、 歩き始めの杖の位置が適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
三点歩行は、杖と患肢を同時に出し、次に健肢を出す歩行様式です。右下肢に軽度の筋力低下があるため、杖を左手に持ち、患側である右下肢と同時に杖を出し、体重を分散させながら安定性を確保します。Aは左足の前方に杖が置かれており、健側である左手に杖を持つことで、患側である右下肢への荷重を軽減し、バランスを保つことが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。右下肢に軽度の筋力低下がある場合、杖は健側である左手に持ちます。三点歩行では、杖と患肢(右足)を同時に前方に動かし、次に健肢(左足)を前に出します。選択肢Aは左足の前方に杖があり、杖を左手で支持することを示唆しており、歩き始めの杖の位置として適切です。選びやすい理由:健側の前方に杖を置くことで、患側への荷重を効果的に軽減できるため、安定性が増すという理解が直感的に正しいと感じるためです。混同注意:杖を患側に持つことで、直接的に患肢をサポートしようとする考え方。
- 2. 選択肢Bは右足の前方に杖があります。これは杖を患側である右手に持っている状態を示唆し、三点歩行の原則(杖は健側に持つ)に反します。正しくは:杖は左足の前に置き、健側である左手に持つべきです。選びやすい理由:患肢が弱いため、その側の手で杖を直接サポートした方が良いと誤解するため。混同注意:杖を患側の補助として用いるべきだという誤った考え方。
- 3. 選択肢Cは健側である左足の横に杖があります。これは杖と患肢を同時に出す際の歩幅を確保できず、安定性を損なう可能性があります。歩き始めとしては不適切です。正しくは:杖は左足の前方に置き、患肢(右足)と同時に前に出すべきです。選びやすい理由:健側の横に杖を置くことで、安定性が増すと誤解する可能性があるため。混同注意:杖を横に置くことで全体的な支持基底面を広げると考えること。
- 4. 選択肢Dは患側である右足の横に杖があります。これは三点歩行の原則(杖は健側に持つ)に反するだけでなく、患肢の横に杖を置くことで、かえってバランスを崩しやすく、支持能力を十分に発揮できません。正しくは:杖は左足の前に置き、健側である左手に持つべきです。選びやすい理由:患肢の近くに杖を置くことで、患肢を直接サポートできると誤解するため。混同注意:杖を患側の補助として用いるべきだという誤った考え方。
国試ポイント
歩行様式と杖の適切な使用法
混同注意
二点歩行、四点歩行、振り子歩行など他の歩行様式と、杖と足の出す順番、杖をつく位置が混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず患者の患側(または痛みのある側)を確認し、次にどの歩行様式が指示されているか、そしてその歩行様式における杖と足の動きの原則を適用して判断します。
関連知識
三点歩行は片足に荷重制限がある場合や、片麻痺など片側の筋力低下がある場合に用いられます。杖は健側(正常な側)の手に持ち、杖と患肢を同時に出すのが基本です。これにより、杖と患肢で二つの支持点を、健肢で一つの支持点を形成し、計三つの支持点により安定性が得られます。