便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
タール便は、上部消化管からの出血が胃酸と反応することでヘモグロビンが酸化され、黒色の便となる特徴的な所見です。これは上部消化管出血の重要な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 灰白色便は、胆汁の流れが滞ることで便に色が着かなくなる状態であり、胆道閉塞や閉塞性黄疸などで見られます。クローン病は炎症性腸疾患であり、便の色を直接灰白色にする主な原因ではありません。正しくは:灰白色便は、胆道閉塞や閉塞性黄疸が原因となる。選びやすい理由:消化器系の疾患ではあるため、関連性を考えてしまうかもしれない。混同注意:クローン病の症状として下痢や血便があるが、灰白色便は典型的ではない。
- 2. 鉄剤を服用すると、便が黒っぽくなることが一般的です。これは鉄分が硫化鉄となって便の色を変えるためです。鮮紅色便は、肛門に近い部位からの出血(例えば痔や直腸からの出血)を示唆します。正しくは:鉄剤の服用は便を黒くする。鮮紅色便は下部消化管からの出血である。選びやすい理由:どちらも便の色に関するもので、特定の物質が便の色を変えるという点では似ているため、混同しやすい。混同注意:鉄剤は黒色便の原因であり、鮮紅色便ではない。
- 3. 正解。タール便は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血が胃酸と反応して黒く変性し、コールタールのような黒色を呈する便のことです。この組み合わせは正しいです。正しくは:タール便は、上部消化管からの出血が胃酸と反応して黒く変色することで生じる。選びやすい理由:他の選択肢も便の異常に関する内容であるため、判断を迷う可能性がある。混同注意:下部消化管出血と混同しないようにする(下部出血は鮮血便が多い)。
- 4. 米のとぎ汁様便は、コレラに代表される重度の水様性下痢の典型的な所見です。急性膵炎では、腹痛や嘔吐が主な症状であり、便の性状としては脂肪便や下痢が見られることはありますが、米のとぎ汁様便は典型的ではありません。正しくは:米のとぎ汁様便は、コレラなどの重度の水様性下痢で見られる。急性膵炎では脂肪便や下痢が見られることがある。選びやすい理由:どちらも消化器系の重篤な疾患であるため、関連性を考えてしまうかもしれない。混同注意:急性膵炎は腹痛や消化酵素の異常が主であり、便の性状としては脂肪便が有名だが、米のとぎ汁様便ではない。
国試ポイント
便の異常な性状とその原因疾患の典型的な組み合わせを正確に理解しているかどうかが問われる問題です。特に、出血部位と便の色の関係、特定の疾患と便の性状の関連性を覚えておくことが重要です。
混同注意
便の色が変化する原因は多岐にわたるため、鉄剤服用時の黒色便と上部消化管出血によるタール便、下部消化管出血による鮮血便、胆道系疾患による灰白色便などを混同しやすい。それぞれの原因とメカニズムを明確に区別することが求められます。
次に同じ論点が出たら
便の性状の変化は、患者の全身状態や消化器系の異常を示す重要な手がかりとなります。具体的な便の性状から、どのような疾患を疑い、次にどのようなアセスメントや検査を行うべきかを判断できる能力が求められます。
関連知識
・鮮紅色便:下部消化管出血(痔、直腸がん、潰瘍性大腸炎など) ・黒色便(タール便以外):鉄剤服用、一部の食品摂取(イカ墨など) ・灰白色便:胆汁の分泌障害(胆道閉塞、閉塞性黄疸など) ・米のとぎ汁様便:コレラ、一部のウイルス性胃腸炎 ・脂肪便:膵外分泌機能不全(慢性膵炎、膵がんなど)、吸収不良症候群