A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎のため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。 その後、看護師は、A君が小学校で自立して間欠的自己導尿ができるようケア計画を立てた。間欠的自己導尿の実施についてA君に伝えることで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
間欠的自己導尿では、カテーテルを挿入し尿が出始めたら、それ以上深く挿入せず、その位置で保持して尿が排出されるのを待ちます。尿道や膀胱への不必要な刺激を避け、効率的に排尿を促すためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 陰部を清潔にする際は、尿道口からの感染を防ぐため、常に清潔な部分で「内側から外側へ」向かって拭き取ることが基本です。外側から内側へ拭くと、肛門周囲の菌が尿道口に持ち込まれるリスクが高まります。正しくは:「おしっこの出る部分を清潔にするために、体の内側から外側に向かって拭き取りましょう」選びやすい理由:清潔操作の基本は理解しているものの、拭く方向を誤解していると選んでしまう可能性があります。清潔の維持自体は重要と認識するため、迷うかもしれません。混同注意:清潔操作の方向性は、感染予防の基本であり、多くの医療処置で共通する重要なポイントです。この知識が曖昧だと判断を誤ります。
- 2. 間欠的自己導尿は清潔操作で行いますが、カテーテルの先端は滅菌状態を維持する必要があるため、手で直接触れないように注意します。しかし、ピンセットを使用することは一般的ではなく、通常は包装から取り出す際に先端を汚染しないよう配慮したり、清潔な手袋を使用したりします。ピンセットは操作性を低下させ、損傷のリスクも伴います。正しくは:「カテーテルの先端は、手で直接触れないように慎重に扱ってね」選びやすい理由:清潔操作への意識から、清潔な器具を用いるという発想に至るかもしれませんが、自己導尿においては現実的でありません。ピンセットを使うことでより清潔になるという誤解から選ぶ可能性があります。混同注意:滅菌操作と清潔操作の境界や、自己導尿における現実的な操作方法の理解が問われます。過剰な清潔操作は、かえって困難を招くことがあります。
- 3. 正解。間欠的自己導尿では、尿が出始めた位置が膀胱に到達した目安となるため、それ以上深く挿入する必要はありません。適切な位置でカテーテルを保持し、尿の排出を促します。選びやすい理由:尿が完全に出るまで深く挿入すべきではないか、という考えから、この選択肢が短すぎる、あるいは不完全だと感じる人もいるかもしれません。しかし、尿が出始めたらその位置で止めるのが正しいです。混同注意:カテーテル挿入の深さに関する理解が問われます。過度な挿入は尿道や膀胱への損傷リスクを高めるため、適切な深さを知ることは重要です。
- 4. 尿が出なくなったからといってすぐにカテーテルを引き抜くと、膀胱内に残った尿を十分に排出できない可能性があります。残尿がないか確認するために、カテーテルを少しずつ引き抜きながら、さらに尿が出ないかを確認することが重要です。正しくは:「尿が出なくなっても、カテーテルを少しずつ引き抜きながら、残っている尿がないか確認しましょう」選びやすい理由:排尿の完了=終了、という直感的な判断から、すぐに抜去することが効率的だと考えてしまうかもしれません。しかし、残尿確認の重要性を見落とすと誤答となります。混同注意:残尿の管理と、そのためのカテーテル抜去時の操作方法に関する理解が問われます。膀胱内の尿を確実に排出することは、合併症予防に不可欠です。
国試ポイント
間欠的自己導尿の手順と、感染予防のための清潔操作の基本が問われています。特に、カテーテル挿入の適切な深さ、抜去時の残尿確認、および陰部清拭の方向性など、実践的な知識が重要です。
混同注意
清潔操作における陰部清拭の方向(内から外か、外から内か)、カテーテルの取扱方法(手袋か、ピンセットか)、そしてカテーテル挿入深度と抜去時の確認方法が、それぞれ混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
この知識を応用し、自己導尿を行う患者さんの合併症予防のための具体的な指導内容や、問題発生時のアセスメントに活かせるか。
関連知識
導尿の種類(間欠的、持続的)、適応、合併症(尿路感染症、尿道損傷)、清潔手技の重要性、残尿測定の意義。小児への説明方法や、自己導尿指導時のポイントも関連します。