A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎のため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。 母親への説明で、最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
小児の自己導尿指導では、子どもの発達段階や個別性を考慮し、できることから段階的に指導していくことが重要です。成功体験を積み重ねることで、自信と意欲を引き出し、最終的な自立へとつなげます。選択肢1は、この段階的指導の原則に最も合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。小児の自己導尿の指導では、子どもの発達段階や理解度に合わせて、できることから少しずつ関わらせることが重要です。段階的に成功体験を積ませることで、自己効力感と自立心を育みます。選びやすい理由:一見当たり前のように聞こえるが、子どもへの指導の基本原則であり、長期的な自立を促す上で最も現実的かつ効果的なアプローチであるため、これが正解となる。混同注意:他の選択肢が極端な内容であるため、比較的常識的な選択肢として選びやすい。
- 2. 手技の失敗を繰り返すこと自体は、子どもの自信喪失や拒否感につながりやすく、適切ではありません。成功体験を積み重ねることが自信形成には不可欠です。正しくは:「成功体験を積み重ねることが、A君の自信につながります」選びやすい理由:失敗から学ぶという考え方もあるが、この文脈では自信喪失のリスクが高く、適切ではない。混同注意:「失敗は成功のもと」という言葉があるが、特に手技の習得初期においては、過度な失敗体験は逆効果になり得るため、注意が必要である。
- 3. 入学という期限を設定し、その期間内に『自分で最後まで』できるようにと強調するのは、子どもや保護者にとって過度なプレッシャーとなり、現実的でない場合が多いです。子どもの発達には個人差があり、一律の目標設定は適切ではありません。正しくは:「A君のペースに合わせて、ゆっくりと自立を目指しましょう」選びやすい理由:入学は一つの目安となり得るが、「自分で最後まで」という完璧主義的な目標設定が非現実的で、達成できない場合のストレスが大きい。混同注意:入学という具体的な目標があるため、一見すると良い目標設定に見えるが、子どもに過度な負担を強いる可能性がある点で不適切である。
- 4. カテーテルの自己挿入は自己導尿の最終段階であり、多くのステップを踏んだ上で到達する目標です。最初のステップとしていきなりこの高度な技術を求めるのは不適切であり、子どもの心理的な負担が大きすぎます。正しくは:「最初のステップは、カテーテルに触れたり、消毒を手伝ったりすることから始めましょう」選びやすい理由:最終目標ではあるため、これを最初のステップと誤解しやすいが、段階的な指導の重要性を考えると誤り。混同注意:最終的な目標と最初のステップを混同しやすいため、注意が必要である。指導は必ず簡単なことから始めるべきである。
国試ポイント
小児に対する医療処置の指導における発達段階に応じたアプローチの理解が問われています。特に、自己導尿のようなデリケートな手技では、心理的負担を軽減し、自立を促すための段階的・個別的指導の重要性がポイントです。
混同注意
この問題では、他の選択肢が非常に極端な内容であるため、選択肢1が比較的選びやすいです。しかし、一般的な育児における「失敗から学ぶ」といった考え方を混同すると、選択肢2に引きずられる可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
この選択肢から、小児の個別性や発達段階に合わせた指導の必要性を認識できるか。
関連知識
小児の発達段階に応じた看護、セルフケア支援、療養生活の支援、プレパレーション。