カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
グレープフルーツに含まれる成分(フラノクマリン類など)は、小腸や肝臓に存在する薬物代謝酵素であるチトクロムP450 3A4(CYP3A4)の働きを阻害します。多くのカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系など)はこのCYP3A4によって代謝されるため、グレープフルーツを摂取すると薬物の分解が遅れ、血中濃度が必要以上に上昇し、薬効が過剰に発現したり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。これは重大な薬物相互作用として知られており、服薬指導の重要なポイントです。
選択肢ごとの解説
- 1. 牛乳はカルシウムを多く含みますが、カルシウム拮抗薬の血中濃度に直接影響を与え、上昇させる作用は一般的に知られていません。正しくは:牛乳はカルシウム摂取源として重要ですが、カルシウム拮抗薬の血中濃度を上昇させる相互作用はありません。選びやすい理由:カルシウム拮抗薬と「カルシウム」という言葉で関連性を感じやすいかもしれませんが、牛乳が薬物代謝酵素に影響を与えるわけではありません。混同注意:カルシウムの摂取量と、薬物代謝酵素を介した薬物の血中濃度上昇との関係
- 2. 納豆にはビタミンK2が豊富に含まれており、抗凝固薬であるワルファリンの効果を減弱させることで知られていますが、カルシウム拮抗薬の血中濃度を上昇させる作用はありません。正しくは:納豆はワルファリンとの相互作用で有名ですが、カルシウム拮抗薬には影響しません。選びやすい理由:ワルファリンとの相互作用で食品との薬物相互作用の例として知られているため、他の薬物にも影響があるように感じるかもしれません。混同注意:ワルファリンと納豆の相互作用の知識と、カルシウム拮抗薬との相互作用
- 3. ブロッコリーはビタミンやミネラルが豊富な野菜ですが、カルシウム拮抗薬の血中濃度を特異的に上昇させる食品としては知られていません。正しくは:ブロッコリーは健康に良い食品ですが、カルシウム拮抗薬の血中濃度に影響を与えることはありません。選びやすい理由:特にありません。一般的な健康食品として認識されるため、薬物相互作用との関連性は薄いと考えられます。混同注意:特定の食品と特定の薬物の相互作用に関する知識の欠如
- 4. 正解。グレープフルーツやそのジュースには、CYP3A4という薬物代謝酵素を阻害する成分が含まれています。カルシウム拮抗薬の一部(例:ニフェジピン、アムロジピンなど)はこの酵素で代謝されるため、グレープフルーツを摂取すると薬物の代謝が遅れ、血中濃度が上昇し、作用が強く現れるリスクがあります。
国試ポイント
薬物と食品の相互作用に関する基本的な知識、特に臨床上重要な相互作用の具体例について問われています。薬剤師や看護師として、患者さんへの服薬指導に必須の知識です。
混同注意
ワルファリンと納豆、テトラサイクリン系抗生物質と牛乳(カルシウム)、MAO阻害薬とチラミン含有食品など、他の代表的な薬物と食品の相互作用と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出た場合、今後はグレープフルーツ以外のCYP3A4阻害食品や、CYP3A4を誘導する食品、あるいは他の酵素系(例: CYP2D6)が関わる食品と薬物の相互作用についても問われる可能性があります。
関連知識
CYP3A4の代謝を受ける他の薬剤(スタチン系脂質異常症治療薬、免疫抑制薬の一部、抗不安薬の一部など)とグレープフルーツの相互作用。チトクロムP450酵素系と薬物代謝の基本メカニズム。