成人女性に対するベッド上での排泄援助とその目的の組合せで適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
成人女性のベッド上での排泄援助において、上半身を挙上することは、重力と腹圧を効果的に利用できるため、自然な排泄に近い状態を作り出し、排便・排尿を促進する上で非常に重要です。この体位は、患者の身体的負担を軽減し、安楽に排泄を行うことを助けます。
選択肢ごとの解説
- 1. 病床の患者に対し、排尿促進のみを目的として安易に寒冷刺激にさらすことは、体温低下や不快感を引き起こすため適切ではありません。患者の安楽を考慮することが重要です。正しくは:換気や気分転換のために窓を開けることはありますが、排尿促進が主目的ではありません。排尿促進には温罨法や温かい飲み物の提供などが考えられます。選びやすい理由:寒冷刺激が排尿を促すという生理現象は存在するため、一見合理的に見えることがあります。混同注意:一般的な排尿生理と、看護師が行うべき適切な排泄援助の対応。
- 2. 正解。上半身を挙上し体を起こすことで、重力を利用し、また腹筋に力が入りやすくなるため、腹圧を効果的にかけることができ、自然な排便・排尿を促進する上で最も適切な体位の一つです。
- 3. 外陰部にトイレットペーパーを当てても、尿臭の防止にはほとんど効果がなく、排泄物の飛散や感染のリスクを高める可能性があります。排泄後は速やかに清拭・換気を行うべきです。正しくは:尿臭防止のためには、排泄物の速やかな処理、陰部の清潔保持、室内の換気が重要です。選びやすい理由:臭いを軽減したいという心理から、何かで覆うことが対策になると考えやすいかもしれません。混同注意:排泄後の清拭におけるトイレットペーパーの使用と、排泄中の臭気対策。
- 4. 便器の底にトイレットペーパーを敷く主な目的は、排泄音を軽減してプライバシーに配慮することや、便器が直接汚れるのを防ぎ清掃を容易にすることです。寝具の汚染防止とは直接関係ありません。正しくは:寝具の汚染防止のためには、防水シーツの使用や、便器を正しく当て、体位を整えることが有効です。選びやすい理由:「防止」という言葉の印象から、予防的な行動として適切だと誤解しやすいかもしれません。混同注意:排泄音の軽減・便器の汚れ防止という目的と、寝具の汚染防止という目的。
国試ポイント
この問題は、ベッド上での排泄援助における基本的な看護技術とその目的を正しく理解しているかを問うものです。患者の安楽、安全、尊厳を保ちながら排泄を促すための具体的な援助方法と、それぞれの行為が持つ医学的・看護学的目的の関連性を正確に把握しているかが重要になります。特に、排泄における自然な身体機能への配慮と、そのための環境調整や体位調整がポイントです。
混同注意
各選択肢で挙げられている行動が、別の目的のためには有効である場合があるため、問題文で示された「目的」と正しく結びついているかを見極める必要があります。例えば、窓を開けるのは換気には有効ですが、排尿促進とは結びつきません。便器にトイレットペーパーを敷くのも、音の軽減や便器の汚れ防止には有効ですが、寝具汚染防止とは異なります。
次に同じ論点が出たら
ベッド上での排泄援助に関する問題が出た場合、まず「患者の安楽と尊厳」「生理的排泄に近い状態の再現」「清潔と感染予防」「安全」の4つの視点から、提示された援助行為がその目的と一致しているか、また適切であるかを判断すると良いでしょう。特に、身体的負担を軽減し、自然な排泄を促す体位や環境調整が重要視されます。
関連知識
ベッド上での排泄援助の基本原則(プライバシーの保護、羞恥心への配慮、安楽な体位の提供、安全の確保、清潔の保持)、排泄の生理(腹圧の利用、重力の影響)、体位と排泄の関係、適切な排泄環境の整備。