Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1°Cであった。 Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。保護者への説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
腸重積症は整復後も再発する可能性があり、その症状は以前と類似していることが多いため、保護者に対して再発時の早期受診を促すことが重要です。早期発見・早期治療が重症化を防ぎます。
選択肢ごとの解説
- 1. 腸重積症整復後の定期受診は必ずしも月に1回とは限らず、個々の患者の状態により異なります。再発がなければ不要な場合も多いです。正しくは:再発徴候がなければ、定期的な受診は不要なことが多いです。症状があればすぐに受診してくださいと指導します。選びやすい理由:病気の再発を懸念して定期的な診察が必要だと考えがちです。混同注意:他の慢性疾患や、手術後の定期経過観察が必要な病態。
- 2. 高圧浣腸は侵襲性の低い治療であり、腹部に傷が残るような治療ではないため、湯船での入浴制限は一般的に不要です。清潔保持の観点からも制限はしません。正しくは:高圧浣腸後の入浴制限は特に必要ありません。選びやすい理由:外科的手術後には入浴制限があるため、そのイメージと混同しやすいです。混同注意:開腹手術やカテーテル挿入など、皮膚に傷がある場合の処置後の入浴制限。
- 3. 腸重積症整復後は、段階的に通常の食事に戻すことが推奨されますが、1週間も離乳食を1日1回の頻度に制限する必要はありません。整復後の経過が良好であれば、経口摂取開始後は徐々に通常の食事に戻していきます。正しくは:整復後、状態が安定していれば段階的に食事量を増やし、通常の食事に戻していきます。過度な制限は適切ではありません。選びやすい理由:消化管に負担をかけないよう、食事制限が必要だと考えがちです。混同注意:術後イレウスや重症な胃腸炎など、消化器系の安静が必要な病態での食事制限。
- 4. 正解。腸重積症は整復後も約10%程度の確率で再発することが知られています。再発時の症状は以前と同じような腹痛、嘔吐、血便などであるため、保護者にその兆候を伝え、速やかな医療機関受診を促すことが極めて重要です。選びやすい理由:再発時の早期対応の重要性を正しく理解しているため、適切な選択肢と判断できます。混同注意:特になし。これは標準的な退院指導です。
国試ポイント
腸重積症の再発徴候と緊急受診の必要性、保護者への退院指導内容。
混同注意
腸重積症の再発と一般的な消化器症状との区別。
次に同じ論点が出たら
腸重積症で退院指導に関する問題が出た場合、再発の可能性と早期受診の必要性について言及している選択肢を選ぶ。
関連知識
腸重積症は乳幼児に多く、突然の腹痛、嘔吐、血便(イチゴゼリー状便)が特徴的です。高圧浣腸による整復が第一選択であり、整復成功後も約10%程度の再発率があるとされます。