全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
全身清拭の目的は、皮膚の清潔保持に加え、温熱刺激による血行促進、リラックス効果、爽快感を与えることです。40〜42℃は、患者が心地よいと感じる温かさであり、皮膚への刺激が強すぎず、やけどのリスクも低いことから、この目的を達成するための適切な温度とされています。この温度は、体温より少し高めであり、タオルが皮膚に触れた際に心地よい温かさを与えます。
選択肢ごとの解説
- 1. この温度ではタオルが冷たく感じられ、患者に不快感や寒冷感を与えてしまいます。特に循環が低下している患者には適しません。正しくは:患者の快適性と温熱効果を考慮し、もう少し高い温度(40〜42℃)に調整する必要があります。選びやすい理由:冷罨法や発熱時のクーリングと混同する可能性がありますが、全身清拭の目的はリラックス効果や清潔保持であり、体温を下げることではありません。混同注意:冷罨法に使用する水の温度や、室温として快適な温度と混同しやすいかもしれません。
- 2. この温度はぬるく感じられ、皮膚の温熱刺激としては不十分です。患者に快適感やリラックス効果を与えにくく、血行促進効果も期待できません。正しくは:全身清拭の目的である温熱効果や快適性を得るためには、もう少し高い温度(40〜42℃)が適切です。選びやすい理由:体温に近い温度なので不快感はないと思われがちですが、タオルが肌に触れた際の温かさとしては物足りず、爽快感も得にくいです。混同注意:体温に近い温度であるため、安全だと考えやすいですが、清拭の温熱効果としては不十分です。
- 3. 正解。この温度は、患者が心地よいと感じる温かさであり、皮膚の血管を適度に拡張させ、血行促進効果やリラックス効果をもたらします。また、皮膚の清潔保持と爽快感を得る上で最適な温度とされています。やけどのリスクも低く、安全性が確保されます。
- 4. この温度は皮膚に直接触れるタオルとしては非常に熱く、患者に不快な熱感や、場合によっては低温やけどのリスクがあります。特に皮膚の感覚が鈍くなっている高齢者や糖尿病患者などには危険です。正しくは:患者の安全と快適性を最優先に考え、やけどのリスクがない40〜42℃に温度を調整する必要があります。選びやすい理由:熱い方が清潔になる、または温まりやすいと思われがちですが、皮膚への刺激が強すぎ、安全性が損なわれます。混同注意:温湿布や熱い蒸しタオルなど、限定的な部位に短時間使用する際の温度と混同しやすいかもしれません。しかし、全身清拭では広範囲に長時間触れるため、より慎重な温度設定が必要です。
国試ポイント
全身清拭における患者の快適性と安全性を確保するための、タオルの適切な温度設定に関する知識が問われています。温熱効果、血行促進、リラックス効果と、やけどのリスク回避の両面から判断する必要があります。
混同注意
患者の体温、室温、冷罨法や温罨法の温度、入浴時の湯温など、他の状況における適切な温度設定と混同しやすい。特に「熱い方が気持ちいい」という感覚や「熱い方が殺菌効果がある」という誤解から、過度に熱い温度を選択してしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に全身清拭に関する問題が出た場合は、患者の安全と快適性が最優先されることを念頭に置き、温熱効果、血行促進、リラックス効果、そしてやけどのリスク回避のバランスが取れた選択肢を選ぶこと。特に、高齢者や感覚障害のある患者の場合、体感温度と実際の温度が異なる可能性があるため、より慎重な判断が求められます。
関連知識
全身清拭の目的と効果(清潔保持、血行促進、リラックス効果、安眠促進、食欲増進など)、実施時の注意点(プライバシーの保護、室温の調整、部分清拭の優先、観察項目など)、清拭の実施手順(末梢から中枢へ、清潔な部位から不潔な部位へ、体の片側ずつなど)。