胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
食後に胃内容物の食道への逆流を防ぐためには、重力の作用を利用して胃内容物を胃の内部に留めることが重要です。座位は体を垂直に保つため、この目的に最も適しており、食道への逆流を効果的に予防できます。食後30分から数時間、この体位を維持することで逆流のリスクを大幅に減らすことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。食事後に体を起こして座位を保つことで、胃の内容物が重力によって食道へ逆流するのを効果的に防ぐことができます。
- 2. 仰向けに寝る体位は、重力の影響を受けにくく、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなるため、逆流予防には不適切です。正しくは:食道への逆流を防ぐためには、頭部を高くするか座位をとるべきです。選びやすい理由:食後にすぐに休息を取りたいという感覚から選ばれやすいかもしれませんが、逆流予防の観点では避けるべきです。混同注意:安楽な体位と、胃食道逆流予防の体位を混同しやすいです。
- 3. 右側臥位は、胃の出口(幽門部)が食道に近くなり、さらに胃の形状から胃内容物が食道へ逆流しやすくなると考えられています。正しくは:逆流予防のためには、重力を活用できる座位や頭部挙上の方が効果的です。側臥位をとるなら、左側臥位の方がわずかに良いとされることもあります。選びやすい理由:側臥位なら仰臥位よりは良いのでは、という漠然とした考えから選ばれる可能性があります。混同注意:左側臥位と右側臥位の生理学的違い(胃の解剖学的構造と逆流への影響)を混同しやすいです。
- 4. 半側臥位は完全な座位よりも体を起こす角度が小さいため、胃の内容物が食道へ逆流するリスクが座位に比べて高まり、予防策としては十分とは言えません。正しくは:逆流を最大限に防ぐには、重力を最大限に活用できる、より体を起こした座位が望ましいです。選びやすい理由:完全に起き上がるのが辛い場合の中間的な選択肢として魅力的に映るかもしれませんが、逆流予防効果は座位に劣ります。混同注意:誤嚥予防や呼吸器系疾患での安楽な体位(ファウラー位など)と混同しやすいです。これらは半側臥位が有効な場合がありますが、胃食道逆流予防の最善策ではありません。
国試ポイント
胃食道逆流症の予防的看護介入として、食事後の体位管理が非常に重要であることを理解しているかを問う問題です。重力を利用した体位の選択が基本的な知識となります。
混同注意
誤嚥予防のための体位(半座位、ファウラー位など)や、安楽な体位、特定の疾患で推奨される体位(例:心疾患での半座位、呼吸困難時の起座位)と混同されやすいですが、本問は「胃食道逆流」に特化しており、その予防には重力に逆らう体位が最も有効です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、食事内容(刺激物、脂肪分、アルコール、カフェインの制限)、就寝前の飲食制限(2〜3時間前まで)、腹圧を上昇させる因子(きついベルト、前屈姿勢、便秘)の回避、肥満の是正、禁煙なども含めた生活指導全般について問われる可能性があります。
関連知識
胃食道逆流症(GERD)の病態生理、生活指導(食事内容の制限、食後の行動、肥満管理など)、薬物療法(プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカーなど)。特に、食後の運動制限、就寝前の飲食制限、腹圧上昇を避ける指導なども関連知識として重要です。