急性膵炎で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
選択肢2は、急性膵炎の重症度判定において、膵臓の壊死の有無や範囲を評価するために造影CTが極めて重要であるため正しいです。選択肢5は、急性膵炎の典型的な初発症状は、急激に発症する激しい上腹部痛であるため正しいです。他の選択肢は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性膵炎の原因としては、胆石性とアルコール性が二大原因であり、発生頻度はほぼ同等か、地域・集団によってどちらかがやや多い傾向にあります。一般的には胆石性が若干多いとされていますが、問題文はアルコール性が多いと逆の記述をしているため誤りです。正しくは:成因はアルコール性も胆石性も主要な原因であり、地域差や集団によって頻度は異なるが、一般的に胆石性がやや多いとされています。選びやすい理由:アルコールが膵臓に負担をかけるイメージがあるため、アルコール性が原因として多いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:胆石性膵炎とアルコール性膵炎の頻度の違い。
- 2. 正解。急性膵炎の重症度判定には、膵臓の壊死の有無や範囲、周囲への炎症の広がりなどを評価できる造影CT検査が不可欠です。これにより予後の予測や治療方針の決定が行われます。
- 3. 急性膵炎では、炎症を起こした膵臓からアミラーゼやリパーゼといった消化酵素が血液中に大量に放出されるため、血中アミラーゼ値は著しく上昇します。低下するというのは誤りです。正しくは:血液中のアミラーゼ濃度は上昇します。選びやすい理由:症状が重篤になると酵素が消費されると誤解する人もいますが、急性期は上昇します。混同注意:慢性膵炎の末期では膵機能低下によりアミラーゼ値が低下することがありますが、急性膵炎では初期に必ず上昇します。
- 4. 急性膵炎の主要症状は激しい上腹部痛であるため、鎮痛薬の投与は患者の苦痛を軽減し、循環動態の安定を図る上で非常に重要です。モルヒネなどのオピオイドはOddi括約筋を収縮させる可能性が指摘されていましたが、現在ではその影響は臨床的に問題とならないと考えられ、激しい疼痛には積極的に使用されます。禁忌ではありません。正しくは:激しい上腹部痛を伴うため、適切な鎮痛薬を積極的に投与し、患者の苦痛を和らげます。選びやすい理由:過去には特定の鎮痛薬(モルヒネなど)の使用がOddi括約筋の収縮を引き起こす可能性が懸念されていましたが、現在はその考えは否定されています。混同注意:かつての鎮痛薬に関する古い知見。
- 5. 正解。急性膵炎の最も典型的な初発症状は、突然発症する上腹部(心窩部から左季肋部)の激しい痛みで、しばしば背部に放散します。この痛みは持続性で、体位変換でもあまり改善しないのが特徴です。
国試ポイント
急性膵炎の主要な原因、初期症状、診断と重症度評価、および基本的な治療に関する知識が問われています。特に症状、検査、治療の選択肢は頻出です。
混同注意
急性膵炎の初発症状は激しい上腹部痛ですが、胆石症や胃潰瘍など他の上腹部疾患との鑑別が必要です。また、アミラーゼ値の上昇と低下の状況(急性期と慢性期の違い)も混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に急性膵炎の問題が出た場合、初期対応(輸液、鎮痛)、重症度判定、および合併症への対応について問われる可能性があります。
関連知識
急性膵炎の重症度スコア(GAIT、APACHE II、CTSIなど)、アミラーゼ・リパーゼ以外の膵酵素(エラスターゼ1など)、急性膵炎の合併症(仮性嚢胞、感染性壊死など)