成人のばね指で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ばね指(狭窄性腱鞘炎)は、手指の腱とその腱を覆う腱鞘の間で炎症が生じ、滑らかな動きが阻害される病態です。腱鞘の肥厚や腱の結節形成によって、指を曲げ伸ばしする際に引っかかり(バネ現象)が生じます。したがって、腱の炎症が病態の中心であり、これが根本的な原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. ばね指は、男性よりも女性に多く発症する傾向があります。特に40~60代の更年期の女性に好発します。正しくは:女性に多く見られます。選びやすい理由:多くの整形外科疾患では性差が見られますが、ばね指の性差を知らないと、誤って男性に多いと判断してしまう可能性があります。混同注意:特定の疾患における性差の知識が曖昧な場合、他の男性に多い疾患(例:痛風)と混同しやすいです。
- 2. 正解。ばね指は、手指を動かす腱とその腱を包む腱鞘の間で炎症が生じ、腱鞘が肥厚することで腱の滑りが悪くなり、指の曲げ伸ばし時に引っかかりが生じる「狭窄性腱鞘炎」の一種です。したがって、腱の炎症が主な病態です。
- 3. ばね指が最も多く発生するのは、母指(親指)や環指(薬指)です。示指や中指にも発生しますが、頻度は母指や環指ほどではありません。正しくは:最も頻繁に発生するのは母指や環指です。選びやすい理由:示指は日常生活で頻繁に使用する指であるため、発生しやすいと誤解されやすいですが、実際は母指や環指の方が好発します。混同注意:日常生活での指の使用頻度と疾患の好発部位が必ずしも一致しないことを理解していないと間違えやすいです。
- 4. ばね指は炎症を伴う疾患であるため、炎症が強い急性期に積極的にストレッチを行うと、腱や腱鞘への刺激が増加し、かえって炎症を悪化させる可能性があります。まずは安静や局所の保護が優先されます。正しくは:炎症が悪化しないよう、安静や局所の保護を優先し、必要に応じて温熱療法や軽度の運動を行います。選びやすい理由:一般的に関節の可動域を改善するためにストレッチが推奨されることが多いですが、炎症性の急性期疾患には適用されないため、その知識がないと選びやすいです。混同注意:炎症が治まった後のリハビリテーションや、変形性関節症など他の疾患におけるストレッチと混同しやすいです。
国試ポイント
ばね指の疫学(性差、好発部位)、病態生理(原因、メカニズム)、および看護ケア・治療に関する基本的な知識が問われています。特に炎症性疾患における「安静」の重要性や、誤ったケアによる悪化リスクを理解しているかがポイントです。
混同注意
腱鞘炎全般とばね指の具体的な特徴、他の手指の疾患(例:ドケルバン病、手根管症候群)との鑑別、炎症期の急性期管理と慢性期のリハビリテーションの区別に関する知識が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
ばね指の患者に、痛みが強い時期にどのような日常生活上の指導を行うべきか、または、ステロイド注射後の注意点について問われる可能性があります。
関連知識
ばね指の疫学:女性(特に更年期以降)、糖尿病や関節リウマチ患者に多い。好発部位:母指、環指。病態:腱鞘の肥厚と腱の結節形成。症状:朝のこわばり、指の付け根の痛み、引っかかり感(バネ現象)。治療:保存療法(安静、湿布、NSAIDs、ステロイド注射)、手術療法(腱鞘切開術)。看護:安静の指導、症状の観察、温熱療法、正しい手指の使い方指導。