広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
広汎子宮全摘出術では、膀胱を支配する神経の一部が損傷することがあり、術後に排尿機能障害(神経因性膀胱)を来すリスクがあります。このため、残尿が生じやすくなったり、尿意を感じにくくなったりすることがあります。排尿機能の回復を促すためには、定時での排尿を心がけ、膀胱に尿を溜めすぎないようにすることで、膀胱の過伸展を防ぎ、膀胱訓練を行うことが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 広汎子宮全摘出術後の性交渉は、創部の保護や感染予防のため、通常は術後約2〜3ヶ月間は避けるよう指導されます。正しくは:「性行為は、医師の許可が出るまで控えてください。通常は術後2〜3ヶ月程度は避ける必要があります。」選びやすい理由:一般的な手術後の活動再開時期と混同しやすいですが、子宮摘出術では創部の回復に時間を要します。混同注意:子宮温存手術や腹腔鏡手術後の回復期間と混同しやすいです。
- 2. 正解。広汎子宮全摘出術では、膀胱周囲の神経が損傷する可能性があり、排尿障害が起こりやすいです。そのため、退院後も残尿感の有無に関わらず、決まった時間や間隔で排尿を試みることが、膀胱の訓練となり排尿機能の回復を助けます。
- 3. 広汎子宮全摘出術と調理時の手袋着用は直接的な関連性がありません。術後の創部保護は重要ですが、清潔操作の必要性があるのは特定の場面(例:創部の処置)であり、日常生活での調理で一律に手袋着用を指導する理由はありません。正しくは:「退院後は、通常の清潔習慣を保ち、一般的な衛生管理に気をつけてください。」選びやすい理由:感染予防という漠然とした概念から、何でも清潔にするべきだと誤解を招きやすいです。医療現場での感染予防策と混同しやすいかもしれません。混同注意:抗がん剤治療中の免疫力低下時の感染予防策と混同しやすいです。
- 4. 術後の創部感染予防のため、シャワーは可能でも、湯船に浸かる入浴(浴槽浴)は、医師の許可が出るまで控えるのが一般的です。通常は術後1ヶ月程度は禁止されることが多いです。正しくは:「湯船に浸かる入浴は、創部の状態を確認し、医師から許可が出てからにしてください。それまではシャワーで体を清潔に保ちましょう。」選びやすい理由:日本の生活習慣として入浴は身近であり、シャワーが可能であれば湯船も大丈夫と安易に考えがちです。また、傷が閉じているから大丈夫と判断しがちです。混同注意:開腹術後の比較的早期のシャワー浴の許可と混同しやすいです。
国試ポイント
広汎子宮全摘出術後の合併症とその対策、特に排尿機能障害に関する看護師の指導内容について問われています。術後の生活指導における具体的な注意点と、その医学的根拠を理解しているかが重要です。
混同注意
他の手術後の一般的な生活指導と、広汎子宮全摘出術特有の注意点(特に排尿機能や性生活)を区別できるかがポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、術後の特定合併症に対する個別性のある看護介入や生活指導について、その根拠と具体的な内容を問われる可能性が高いです。特に、身体機能の変化に対する自己管理指導に注目しましょう。
関連知識
・神経因性膀胱の症状と管理 ・術後感染予防の一般原則 ・性交渉再開の目安と指導 ・創部治癒過程と入浴の制限