成人の糖尿病患者に対するペン型インスリン自己注射の指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
糖尿病患者がインスリン自己注射を行う際、低血糖時の対処法としてブドウ糖の携帯は必須です。また、注射部位を毎回変更することで、皮膚障害を予防し、インスリンの安定した吸収を保つことができます。これらは自己注射の基本的な指導内容です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。インスリン注射を行う糖尿病患者は、低血糖のリスクがあるため、緊急時に備えてブドウ糖や砂糖を携帯することが必須です。正しくは:この表現で適切です。選びやすい理由:ブドウ糖の携帯は糖尿病管理の基本であり、選択肢1は具体的な指示を含んでいて迷うことなく選択できます。混同注意:低血糖の具体的な症状や対処法についても併せて指導することが重要です。
- 2. 正解。同じ部位に繰り返し注射すると、皮膚硬結や脂肪萎縮・肥厚などの皮膚障害を引き起こし、インスリンの吸収に影響を与える可能性があるため、注射部位を毎回変えるよう指導します。正しくは:この表現で適切です。選びやすい理由:注射部位のローテーションはインスリン自己注射の基本であり、多くの患者が理解している点です。混同注意:注射部位のローテーションの具体的な方法(例えば、腹部、大腿、上腕、臀部でのローテーションや、同一部位内での場所の移動など)についても詳しく指導する必要があります。
- 3. インスリン注射後に注射部位を揉むと、インスリンの吸収が促進され、急激な血糖低下や低血糖を引き起こす可能性があるため、通常は揉まないように指導します。正しくは:「注射後は、刺した場所を揉まないでください」選びやすい理由:筋肉注射など他の注射では揉むことがあるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:患者が過去に他の注射経験がある場合、その習慣から揉んでしまう可能性があるため、明確に「揉まない」と伝える必要があります。
- 4. ペン型インスリン自己注射では、通常、針の長さにもよりますが、皮膚に対して90度(垂直)に刺入します。特に短い針を使用する場合や、皮膚をしっかりつまめる場合は90度です。皮膚をつまみにくい場合や痩せている人では45度の角度で刺入することもありますが、30度は一般的ではありません。正しくは:「針は皮膚に対し90度の角度で刺入してください」(または「針の長さや体格に合わせて45度または90度の角度で刺入してください」)選びやすい理由:注射の角度は患者の体格や使用する針の長さによって調整されることがあるため、特定の角度が提示されると正しい選択肢に見えてしまう可能性があります。混同注意:筋肉内注射や皮内注射など、他の注射方法と角度を混同しやすいです。
- 5. インスリンは凍結させると変性し、効果が失われるため、冷凍庫での保管は不適切です。未使用のインスリンは冷蔵庫(2〜8℃)で保管するのが適切です。正しくは:「使用していないインスリンは冷蔵庫(2〜8℃)で保管してください」選びやすい理由:薬の保存は冷蔵が一般的ですが、冷凍は過度な保存であり、インスリンには適さない点を理解していないと誤って選択する可能性があります。混同注意:冷蔵保存と冷凍保存の違い、およびインスリンが凍結によって変性するという知識が不足していると間違えやすいです。使用開始後のインスリンの保管方法(室温、使用期限)との区別も重要です。
国試ポイント
本問は、糖尿病患者に対するインスリン自己注射の指導内容に関する基本的な知識を問うものです。低血糖への備え、注射部位のローテーション、注射後の処置、注射角度、インスリンの保管方法といった、患者が安全かつ効果的に自己注射を行うための必須事項がポイントとなります。特に、インスリン注射後の「揉まない」ことやインスリンの「冷凍禁止」は重要な知識です。
混同注意
インスリン注射と他の注射(筋肉注射など)の手技や保管方法を混同しないよう注意が必要です。特に、注射後の揉み方や角度は、注射の種類によって異なるため、正確な知識が求められます。また、使用中のインスリンと未使用のインスリンの保管方法の違いも理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
患者の理解度を確認し、適切な手技が習得できているか評価する。注射部位の観察を定期的に行い、皮膚障害の有無を確認する。低血糖時の家族への指導や、緊急連絡先についても確認する。
関連知識
インスリン製剤の種類と作用時間、低血糖の症状と対処法、シックデイ対策、インスリン抵抗性、糖尿病合併症の予防と管理。