Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1cが8.5 %のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。 Aさんに自己注射を導入できるかを判断するための情報で最も重要なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
自己注射を安全かつ正確に行うためには、薬剤の単位数や目盛り、針の装着などを確認するために、細かい文字や数字を正確に読み取る視力が必要です。これは、自己注射手技を習得し、安全に継続するための身体能力として最も基本的な要件の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。自己注射を行うには、薬剤の目盛りや単位数、針の取り付け、指示書の確認など、細かい文字や数字を正確に読み取る視力が必要です。安全かつ正確な自己注射には不可欠な要素です。
- 2. 運動療法は糖尿病治療において重要ですが、自己注射の可否を直接判断する上では最も重要な情報ではありません。運動習慣があっても、注射手技の理解や視力がないと安全に自己注射はできません。正しくは:運動療法は糖尿病管理に重要ですが、自己注射の可否を判断する直接的な基準ではありません。選びやすい理由:運動療法も糖尿病治療の柱の一つであるため、重要そうに見えるかもしれません。混同注意:糖尿病全体の自己管理能力と、自己注射という特定の行為の実施能力を混同しやすいです。
- 3. 周囲のサポートは心理的・社会的に重要ですが、自己注射の導入可否を判断する「最も重要な」情報ではありません。自己注射はあくまでAさん自身が行う行為であり、本人の能力が最優先されます。緊急時や困った時の支援は必要ですが、基本は自己完結できる能力が必要です。正しくは:近隣のサポートは安心感につながりますが、自己注射の可否は本人の能力が第一です。選びやすい理由:高齢者や一人暮らしの場合、誰かの助けがあることは心強いと感じ、重要視してしまいがちです。混同注意:患者のQOL向上に必要な支援体制と、自己注射の実施能力を混同しやすいです。
- 4. 食品交換表の理解は食事療法を行う上で非常に重要ですが、自己注射の導入可否を判断する直接的な基準ではありません。食事療法と自己注射は糖尿病治療の両輪ですが、注射の手技実施能力とは別の評価項目です。正しくは:食品交換表の理解は食事療法に不可欠ですが、自己注射の実施能力とは直接関係ありません。選びやすい理由:食事療法も自己管理の重要な要素であるため、理解していることは良いことのように思えます。混同注意:糖尿病の自己管理全般の知識と、自己注射という具体的な手技の実施能力を混同しやすいです。
国試ポイント
糖尿病の自己注射指導において、患者の自己管理能力を評価する際の具体的な判断基準(特に身体的側面)を問う問題です。単なる知識の有無だけでなく、実際の行為に必要な能力を把握しているかが問われます。
混同注意
糖尿病治療全般の自己管理能力(食事、運動、シックデイ対応など)と、自己注射という特定の医療行為の遂行能力を混同しやすいため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、視力だけでなく、手指の巧緻性(針の装着、注射器の操作)、認知機能(手順の理解、判断力)、理解力(指導内容の習得)、経済的状況なども考慮に入れるべき重要な情報となり得ます。
関連知識
自己注射の指導プロセス(導入前評価、手技指導、合併症・低血糖への対応指導、インスリンの種類と作用時間など)。患者の身体機能(視力、手指の巧緻性、認知機能)の評価。インスリン注射薬の種類と保管方法。