入院中のAさんの親族と名乗る者から「急用があるためAさんと話をさせてほしい」と病棟に電話があった。看護師の対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
医療機関では、患者さんの入院の事実を含め、個人情報を本人の同意なしに第三者へ開示することはできません。たとえ親族と名乗る者であっても、電話口では身元を確認できないため、患者さんのプライバシー保護を最優先し、入院の有無についても回答を避けるのが適切な対応です。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者さんのプライバシー保護の観点から、看護師が電話の相手に用件を尋ねることは適切ではありません。患者さんの同意なしに、その情報が第三者に伝わるリスクがあるためです。正しくは:用件を尋ねるのではなく、まず患者さんの入院に関する情報の開示について慎重に対応すべきです。選びやすい理由:親族と名乗っているため、具体的な用件を聞くことで解決できると考えるかもしれませんが、個人情報保護が優先されます。混同注意:患者の容態に関する緊急の連絡であれば用件を聞くべきという状況と混同しやすいですが、本問では「急用」というだけで具体的な緊急性は不明です。
- 2. 患者さんが入院しているという事実や、患者さんが電話対応できる状態であるかどうかの情報を、電話の相手が親族と名乗るだけの人間に安易に開示することは、患者さんのプライバシー侵害にあたります。なりすましの可能性も考慮する必要があります。正しくは:患者さんの意思を確認するまで、直接電話をつなぐことは避けるべきです。選びやすい理由:親族と名乗る相手からの電話であるため、緊急性を考慮してすぐに取り次ぎたくなるかもしれません。混同注意:通常の電話応対と同じように対応してしまいがちですが、医療機関における個人情報保護の重要性を理解している必要があります。
- 3. 患者さんが入院している事実を電話の相手に伝えてしまうことになります。また、患者さんの状態によっては電話をかけられない場合もあるため、安易に約束することは適切ではありません。患者さんの情報開示については、まず本人の同意を確認することが必要です。正しくは:患者さんが入院している事実を伝えずに、まずは本人に連絡があった旨を伝えて意向を確認すべきです。選びやすい理由:Aさんのプライバシーをある程度守りつつ、相手への配慮も示せる対応だと誤解されやすいです。混同注意:直接つなぐよりは良いように見えますが、入院の事実を開示してしまう点で誤りです。
- 4. 正解。患者さんの入院の有無を含め、個人情報は本人の同意なしに第三者に開示してはなりません。電話の相手が親族と名乗っていても、身元が不確かな状況では、情報開示はプライバシー侵害となる可能性があります。したがって、入院の事実を否定も肯定もせず、「お答えできない」と伝えるのが最も適切な対応です。正しくは:この対応が、医療機関における個人情報保護の原則に則った最も適切な方法です。選びやすい理由:冷たく感じるかもしれませんが、患者さんの権利を守るためには必要な対応です。混同注意:「家族なのだから教えてもよいのでは」という一般常識と、医療現場の個人情報保護の原則との間で混乱することがあります。
国試ポイント
医療機関における患者さんの個人情報保護、特に電話対応時のプライバシー保護に関する基本原則を理解しているか問われます。
混同注意
親族からの電話であるため、ある程度の情報を開示しても良いと判断しがちですが、電話口では本人確認が困難なため、情報漏洩のリスクを常に考慮する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この後、看護師はAさんに電話があったことを伝え、Aさんの意思を確認してから、Aさんから折り返し連絡するかどうか、または病院から連絡してよいかどうかを確認する手順に進みます。
関連知識
個人情報保護法、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、守秘義務。