下肢静脈瘤の危険因子はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
下肢静脈瘤は、静脈弁の機能不全や静脈壁の脆弱化によって発生します。高齢になると静脈の弾力性が低下し、弁の機能が弱まるためリスクが高まります。また、妊娠中は増大した子宮が骨盤内の静脈を圧迫すること、およびホルモン(特にプロゲステロン)の影響で静脈壁が弛緩することが、静脈瘤の主な危険因子とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 外傷が直接的な下肢静脈瘤の危険因子となることは稀です。血栓症を伴う場合は二次的に静脈機能に影響を与える可能性はありますが、一般的な危険因子とはみなされません。正しくは:外傷は直接的な危険因子ではありません。選びやすい理由:局所の循環に影響を与える可能性があるため、誤解を招くかもしれませんが、静脈瘤の形成機序とは異なります。混同注意:外傷と静脈炎や深部静脈血栓症との関連はありますが、静脈瘤の発生とは直接結びつきにくいです。
- 2. 喫煙は動脈硬化や血栓症のリスクを高めますが、下肢静脈瘤の直接的かつ主要な危険因子としては一般的に挙げられません。静脈壁の弾力性低下に関与する可能性は示唆されていますが、エビデンスは限定的です。正しくは:喫煙は主要な危険因子ではありません。選びやすい理由:血管疾患全般の危険因子であるため、関連があるように思えますが、静脈瘤の特異的な危険因子ではありません。混同注意:喫煙は動脈疾患や深部静脈血栓症の危険因子ですが、静脈瘤の発生メカニズムとは異なります。
- 3. 正解。年齢が上がるとともに、静脈壁や静脈弁の弾力性が失われ、機能が低下しやすくなります。これにより、血液が逆流しやすくなり、静脈瘤のリスクが高まります。正しくは:高齢は静脈の弁機能や血管壁の弾力性低下を引き起こし、静脈瘤の発生を促進します。選びやすい理由:誰にでも起こりうる老化現象のため、具体性が薄いと感じるかもしれませんが、重要な因子です。混同注意:単なる加齢ではなく、加齢に伴う静脈構造の変化が重要です。
- 4. 手術自体が下肢静脈瘤の直接的な危険因子となることはありません。ただし、手術後の長期臥床や安静は深部静脈血栓症のリスクを高めることがありますが、これは静脈瘤とは別の問題です。正しくは:手術は直接的な危険因子ではありません。選びやすい理由:術後の活動制限が血流に影響を与えるため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:手術と関連する深部静脈血栓症と下肢静脈瘤を混同しやすいです。
- 5. 正解。妊娠中は、子宮の増大により骨盤内の静脈が圧迫され、下肢からの静脈還流が阻害されます。また、プロゲステロンなどのホルモンの影響で静脈壁が弛緩しやすくなるため、静脈瘤が発生・悪化しやすくなります。正しくは:妊娠による腹圧の上昇とホルモンバランスの変化が静脈瘤の発生・悪化を促します。選びやすい理由:一時的な状態であり、出産後に改善することもあるため、危険因子ではないと誤解することもありますが、発生リスクは高まります。混同注意:妊娠中のむくみと静脈瘤を混同する可能性もありますが、静脈瘤は血管構造の変化を伴います。
国試ポイント
下肢静脈瘤の一般的な危険因子を正確に理解しているか問う問題です。生理的変化に伴うリスクと、病的な状態に関連するリスクを区別する知識が必要です。
混同注意
外傷や喫煙、手術は他の血管系疾患や血栓症の因子として認識されがちですが、下肢静脈瘤に特化した危険因子ではない点で混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
下肢静脈瘤の症状、診断方法、治療法(圧迫療法、硬化療法、手術など)、および看護ケアについて理解しているか。
関連知識
下肢静脈瘤の危険因子には、長時間の立位・座位、遺伝的要因(家族歴)、肥満なども含まれます。静脈瘤の予防や悪化を防ぐための指導内容(弾性ストッキングの着用、適度な運動、体位変換など)も関連知識として重要です。