Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。 このときにAさんから収集する情報として優先度が高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Aさんが咳で苦しんでいる場合、現在使用している咳止め薬の状況(種類、量、服用時間、効果の有無、副作用など)を確認することは、現在の症状の原因や対処法をアセスメントし、適切な看護介入を計画するために最も優先度の高い情報です。薬が適切に使用されているか、効果が不十分でないか、あるいは副作用が出ていないかなどを確認することで、次のステップに進むことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 排尿の頻度は、Aさんが咳で苦しんでいる状況においては、直接的な対処が必要な情報とは考えにくいです。間接的に影響がある可能性はありますが、優先度は低いです。正しくは:現在の主訴と関連性の高い情報を優先して収集すべきです。選びやすい理由:一般的なバイタルサインや生活習慣の情報の一部として考えられるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:患者の全体像を把握する上で必要な情報ではありますが、緊急性や主訴との関連性において優先度は低いです。
- 2. 設問の前提として「咳で苦しんでいる」とあるため、咳嗽の有無はすでに把握されている情報と推測されます。そのため、優先して収集すべき情報としては適切ではありません。正しくは:すでに把握されている情報の確認ではなく、より詳細な情報を収集する必要があります。選びやすい理由:咳に関する情報であるため、一見すると関連性が高いように思えます。混同注意:患者の主訴が咳であるため、咳そのものに関する情報と誤解しやすいですが、設問は「このとき」と限定しており、すでに咳があることは前提です。
- 3. 正解。患者が咳で苦しんでいる場合、現在使用している咳止め薬の効果や副作用、適切な使用方法を確認することは、現在の症状に対するアセスメントと介入を考える上で非常に優先度が高いです。薬が効いているのか、足りないのか、間違った使い方をしていないかなどを確認することで、次の看護介入の方針が立てられます。正しくは:特になし。この情報は適切です。選びやすい理由:他の選択肢も患者の全体像を把握する上で必要に思えるため、迷う可能性があります。混同注意:症状の原因となる疾患情報や、生活習慣の情報とどちらを優先すべきか迷うことがあります。
- 4. 生活上のストレス要因は、長期的な観点から症状に影響を与える可能性はありますが、患者が「このとき」咳で苦しんでいる状況において、直接的な苦痛の緩和や緊急性のある情報収集としては優先度が低いと判断されます。正しくは:現在の主訴である咳の症状に直接関連し、介入に直結する情報を優先すべきです。選びやすい理由:心身医学的なアプローチとして、ストレスが症状を悪化させることはよく知られているため、重要な情報だと感じやすいです。混同注意:患者の全体的な健康状態や心理状態も重要ですが、緊急時の情報収集においては、主訴に直接関連する情報が優先されます。
国試ポイント
患者の主訴から、その時々で最も優先して収集すべき情報を判断する能力が問われています。特に、症状に直接関連し、今後の看護介入に直結する情報の優先順位を理解しているかが重要です。
混同注意
すべての選択肢が患者の健康状態に関連する情報であり、一見するとどれも重要に見えるため、優先順位の判断が難しいです。特に「咳嗽の有無」は、咳が主訴であるため重要に思えますが、設問の前提から既に咳があることは明確であり、より詳細な情報が必要である点を見極める必要があります。
次に同じ論点が出たら
鎮咳薬の使用状況を把握した後、薬の効果が不十分であれば医師への報告や追加の症状緩和策を検討する、副作用があれば対処法を検討するなど、具体的な看護介入へ移行します。
関連知識
患者の主訴別アセスメント、薬剤管理の基本、緊急度・重症度のアセスメント、看護過程。