仰臥位の患者の良肢位で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肘関節90度屈曲位は、上肢の機能的な活動(食事、書字など)に適しており、関節の拘縮を予防する上で最も理にかなった良肢位です。他の選択肢は、それぞれ関節に過度な負担をかけたり、神経圧迫や循環障害、拘縮を招いたりする不適切な肢位です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節を90度外転位で長時間保持すると、腕神経叢の圧迫や肩関節周囲筋の負担が大きくなり、機能障害や疼痛を引き起こす可能性があります。正しくは:一般的に、肩関節の良肢位としては、約30度の外転と30度の屈曲が推奨されます。選びやすい理由:関節の可動域を広く保つことが良いと誤解しやすいですが、これは長期的な安楽や機能維持には適しません。混同注意:一時的な治療や診断目的の体位と、長期的な臥床における良肢位を混同しやすいです。
- 2. 正解。肘関節を90度屈曲位に保つことは、多くの日常生活動作(食事、読書、顔に手を運ぶなど)を行う上で機能的に最も適した位置であり、関節拘縮の予防にもつながります。
- 3. 膝関節を90度屈曲した状態での仰臥位は、膝裏(膝窩部)への過度な圧迫を招き、循環障害や腓骨神経麻痺のリスクを高めます。正しくは:膝関節の良肢位としては、軽度屈曲(10~20度程度)またはほぼ伸展位が望ましいとされます。足底がフットボードにつくような位置を意識します。選びやすい理由:座位や車椅子上での膝関節の角度と混同しやすいですが、仰臥位では異なります。混同注意:座位や車椅子使用時の膝関節の良肢位と、仰臥位での膝関節の良肢位を混同しやすいです。
- 4. 足関節を90度底屈位で長時間保持すると、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の短縮やアキレス腱の拘縮を招き、「尖足(せんそく)」という変形の原因となります。正しくは:足関節の良肢位は、足底が下腿と直角になる中間位(背屈0度、底屈0度)が適切です。選びやすい理由:「90度」という数字から、足が直角になっている状態をイメージしやすいですが、底屈90度は足が下方に垂れた状態を指します。混同注意:足関節の中間位(足底が下腿と直角)と、底屈90度(足が下垂している状態)を混同しやすいです。
国試ポイント
良肢位に関する基本的な知識、特に各関節における機能的な位置とその理由を理解しているかを問われます。拘縮予防や合併症予防の観点から、不適切な肢位を判別できるかが重要です。
混同注意
一時的な治療体位と長期臥床における良肢位、および座位や車椅子での良肢位と仰臥位での良肢位を混同しやすい傾向があります。また、具体的な角度がどの関節でどのような意味を持つのかを正しく理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された際は、まず問題文の「仰臥位」「良肢位」というキーワードを確認し、各関節が長期臥床時に負担なく機能的に維持できる適切な角度や位置を想起しましょう。不適切な角度がもたらすリスク(拘縮、神経圧迫、循環障害、疼痛など)も同時に考慮することが重要です。
関連知識
関節可動域訓練(ROM訓練)、体位変換、ポジショニング、関節拘縮の予防、褥瘡予防、神経麻痺の予防、日常生活動作(ADL)の援助、廃用症候群の予防。