薬物の吸収速度が最も速いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
薬剤の吸収速度は、投与経路によって大きく異なります。静脈内注射は薬剤を直接血管内に投与するため、吸収過程を全く経ることなく全身循環に到達し、最も速やかに作用を発現します。これに対し、経口投与や直腸内投与は消化管からの吸収が必要であり、筋肉内注射も筋肉組織からの吸収が必要なため、静脈内注射よりも時間がかかります。
選択肢ごとの解説
- 1. 経口投与された薬剤は、消化管からの吸収と肝臓での初回通過効果を経るため、全身循環に到達するまでに時間がかかり、吸収速度は比較的遅いです。正しくは:薬物を直接血流に導入する経路を選ぶべきです。選びやすい理由:最も一般的で身近な投与方法であるため、無意識に選択肢として考慮しやすいですが、吸収速度の観点では最も速くはありません。混同注意:薬剤の吸収が確実に行われることと、吸収速度が速いこととを混同する可能性があります。
- 2. 筋肉内注射は、薬液が筋肉組織に拡散し、毛細血管から吸収されるため、経口投与よりは速いものの、直接血管内に投与される方法よりは吸収に時間がかかります。正しくは:薬物を直接血流に導入する経路を選ぶべきです。選びやすい理由:注射であるため、速やかに効果が出るイメージがありますが、静脈内注射ほどではありません。混同注意:「注射」という行為がすべて同じくらいの速さで吸収されると誤解する可能性があります。
- 3. 正解。静脈内注射は、薬剤を直接血流(静脈)に注入するため、吸収という過程を完全に経由せず、投与後すぐに全身循環に到達します。したがって、最も速く効果を発現させる投与経路です。
- 4. 直腸内投与では、直腸粘膜から薬剤が吸収されますが、吸収面積が限られていることや、血管網の特性から、全身循環への到達速度は経口投与と同程度かやや速い程度で、静脈内注射ほど速くはありません。正しくは:薬物を直接血流に導入する経路を選ぶべきです。選びやすい理由:経口投与ができない場合に選択されることがあるため、吸収が速いと誤解されがちですが、その主目的は初回通過効果の回避や消化管刺激の軽減などであり、吸収速度の最速化ではありません。混同注意:経口投与と比較してのメリット(例:初回通過効果の回避)と、絶対的な吸収速度の速さを混同する可能性があります。
国試ポイント
薬剤の投与経路とその吸収速度、バイオアベイラビリティに関する基本的な知識が問われています。特に静脈内注射の特性(吸収過程がないこと)を理解しているかが重要です。
混同注意
各投与経路のメリット・デメリット(例:初回通過効果の有無、投与の容易さ、局所作用の有無など)と、吸収速度だけを問う問題であることを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、薬剤の吸収速度だけでなく、各投与経路のメリット・デメリット、禁忌、特定の病態(ショック時など)における投与経路の選択理由など、より応用的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
初回通過効果、バイオアベイラビリティ、Tmax(最高血中濃度到達時間)、各投与経路(皮下注射、皮内注射、吸入など)の特性。また、緊急時に選択される投与経路の理由。