室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
室内空気下で動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr未満(または60Torr以下)である状態は、低酸素血症による呼吸不全と診断され、身体の組織への酸素供給が不十分な状態です。このような場合、速やかに酸素療法を開始し、PaO2を改善することが一般的な治療方針となります。PaCO2は換気状態を示す指標であり、高値は換気不全を示しますが、酸素療法の直接的な適応基準はPaO2の低下です。
選択肢ごとの解説
- 1. PaO2が60Torr以上の場合、通常は酸素療法の必要性が低いとされる状態です。酸素療法は低酸素血症を改善するために行われるため、この値では適応とはなりません。正しくは:動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr未満であること選びやすい理由:Torrという単位やPaO2/PaCO2の数値が並んでいるため、正確な基準値を覚えていないと迷う可能性があります。混同注意:低酸素血症の基準値である60Torrを正しい選択肢のPaO2 60Torr『未満』と混同する可能性があります。
- 2. 正解。一般的に、室内空気下で動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr未満(または60Torr以下)であることは、呼吸不全(低酸素血症)の定義であり、酸素療法の主な適応基準となります。この値は、身体の各組織への酸素供給が不十分であることを示します。
- 3. PaCO2が60Torr以上は呼吸不全の基準の一つではありますが、これは高炭酸ガス血症を示しており、酸素療法の直接的な適応基準というよりは、むしろ換気補助の必要性や呼吸器疾患の重症度を示す指標です。ただし、呼吸不全に伴う低酸素血症の際には酸素療法が適用されることもありますが、PaCO2単独で酸素療法の適応基準を判断することは稀です。正しくは:動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr未満であること選びやすい理由:呼吸不全の指標としてPaCO2も重要であるため、これが適応基準であると誤解しやすいかもしれません。また、数字が60Torrである点も紛らわしいです。混同注意:低酸素血症と高炭酸ガス血症の区別、およびそれぞれの治療方針の違いと混同しやすいです。特に、急性呼吸不全ではPaCO2上昇がよく見られるため、低酸素血症(PaO2低下)と合わせて治療適応と捉えてしまう可能性がありますが、酸素療法の直接的な適応はPaO2低下です。
- 4. PaCO2が60Torr未満であることは、高炭酸ガス血症ではない状態を示し、正常範囲内または過換気の状態である可能性があります。これは酸素療法の適応基準にはなりません。正しくは:動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr未満であること選びやすい理由:60Torrという数字に惑わされやすいですが、PaCO2の正常値は一般的に35~45Torr程度であり、60Torr未満は異常値ではないため、適応基準にはなりません。混同注意:PaO2とPaCO2の基準値を混同しやすいです。また、数値の『以上』と『未満』の区別が曖昧な場合に誤って選択する可能性があります。
国試ポイント
呼吸不全の定義と酸素療法の適応基準に関する知識は、国家試験で頻繁に出題されます。特に、PaO2とPaCO2の基準値、そしてそれぞれが示す病態(低酸素血症、高炭酸ガス血症)を正確に理解し、治療方針と結びつけることが重要です。数値の『以上』と『未満』の区別や、PaO2とPaCO2の混同に注意が必要です。
混同注意
PaO2とPaCO2の基準値、およびそれらが示す生理学的意味の混同。特に呼吸不全の診断基準におけるPaO2 60Torr以下と、PaCO2 45Torr以上(または慢性呼吸不全では50Torr以上など、状況による)の違い。また、酸素療法と換気補助の治療選択の違い。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、まず『酸素療法の適応』が問われているか、『低酸素血症』と『高炭酸ガス血症』のどちらが主要な病態かを確認します。その上で、PaO2とPaCO2の基準値、および数値が『以上』か『未満』かを正確に判別する訓練が必要です。特に、呼吸不全の具体的な病態(1型、2型)とそれに応じた治療の優先順位を理解しているかが問われるでしょう。
関連知識
呼吸不全の定義(PaO2 60Torr以下またはPaCO2 45Torr以上)、急性呼吸不全と慢性呼吸不全の違い、酸素療法の種類(鼻カニューレ、酸素マスクなど)と流量、酸素療法の注意点(CO2ナルコーシスのリスク、高濃度酸素の有害性など)、動脈血ガス分析の評価方法。