Aさん(38歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。入院後に行った頭部CT検査および頭部MRI検査で、脳腫瘍と診断された。Aさんは脳腫瘍摘出のために開頭術を受けた。 帰室後の看護として適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
帰室後の患者に対する看護として、ベッドの頭側挙上は誤嚥予防、呼吸促進、静脈還流の改善、頭蓋内圧亢進予防など、多くの点で適切な介入です。特に意識レベルが低下している可能性のある患者や、安静を必要とする患者にとって重要な体位管理となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 発熱時の冷罨法は、体温を下げるために有効な手段の一つです。特に体温が38.5℃以上で患者が不快感を訴える場合や、熱性けいれんの既往がある場合などには、医師の指示やプロトコルに従って適用されることがあります。正しくは:発熱時の冷罨法は、患者の不快感を軽減し体温を下げるために実施することがある。選びやすい理由:冷罨法がすべての発熱ケースで適切ではないという誤解から選択されがちです。混同注意:冷罨法が禁忌とされる状態(例:悪寒戦慄時)と、一般的に実施される状況との区別が曖昧になっている可能性があります。
- 2. 徐脈の程度や患者の症状(意識レベル低下、めまい、胸痛など)によっては、緊急性の高い状態である可能性があり、医師への報告と適切な介入が必要です。単なる経過観察ではなく、原因の特定と治療が求められる場合があります。正しくは:徐脈時は、患者の症状や基礎疾患を評価し、必要に応じて医師に報告する。選びやすい理由:症状がない徐脈であれば経過観察でよいという認識から選択されることがあります。混同注意:生理的徐脈と病的徐脈の区別、また病的徐脈の重症度に応じた対応の理解が不十分な可能性があります。
- 3. 正解。帰室後の患者の体位として、ベッドの頭側挙上は、誤嚥の予防、呼吸の促進、静脈還流の改善、頭蓋内圧亢進の予防など、多くのメリットがあります。特に術後や安静を要する患者において、呼吸器合併症や循環動態への配慮から推奨される体位です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:一見すると特別な処置に見えないため、他の選択肢に目が行きがちですが、基本的な看護ケアとして重要です。混同注意:特定の疾患や術後ではない場合でも、一般的な患者ケアとして頭側挙上が有効であることを見落としがちです。
- 4. 頸部を前屈させる体位は、気道閉塞や呼吸困難を引き起こす可能性があり、また脳圧亢進を助長する場合もあります。特に意識レベルが低下している患者や、呼吸器系の問題がある患者には不適切な体位です。正しくは:頸部は自然な位置に保つか、必要に応じて軽度伸展位を考慮する。選びやすい理由:誤嚥予防の際に顎を引く動作と混同されることがありますが、持続的な頸部前屈は適切ではありません。混同注意:嚥下時の姿勢と、安静時の体位が混同されている可能性があります。また、気道確保の原則である頸部伸展(下顎挙上)とは逆の操作であり、呼吸管理の観点から不適切です。
国試ポイント
患者の帰室後の全身状態を考慮した基本的な体位管理と、各体位が身体に与える影響についての理解が問われています。誤嚥、呼吸、循環、頭蓋内圧など、多角的な視点から適切な看護を判断する能力が必要です。
混同注意
「発熱時の冷罨法」や「徐脈時の経過観察」といった選択肢は、特定の条件下では正しい場合があるため、状況判断の正確さが求められます。
次に同じ論点が出たら
患者の個別性に合わせて、頭側挙上の角度を調整したり、他の体位(側臥位など)を検討したりする必要があるか判断します。
関連知識
誤嚥性肺炎の予防、呼吸困難時の体位、術後の体位管理、脳血管疾患患者の体位管理。