患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
左片麻痺のある患者の移乗介助では、患者の健側(右側)を主体として身体を動かすことが基本です。図3の配置では、車椅子がベッドと平行に、患者の健側(右側)に隣接して配置されています。これにより、患者は健側の足で踏ん張り、健側の腕で車椅子を掴み、小さな回転と短い移動距離で安全に車椅子へ移ることができます。これは、患者の残存機能(健側)を最大限に活用し、介助者の負担も軽減する最も適切な方法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 図1では、車椅子がベッドの足側に配置されており、移乗距離が長く、麻痺側への負担が大きくなる可能性があります。また、健側を活用しにくい体勢です。正しくは:移乗介助の際は、健側を最大限に活用し、移乗距離を短くすることが重要です。選びやすい理由:一見すると移乗経路がシンプルに見えるかもしれませんが、患者の麻痺側と健側の状況を考慮する必要があります。混同注意:患者の麻痺の状況を考慮せずに、一般的な移乗介助の配置と混同する可能性があります。
- 2. 図2では、車椅子が患者の健側である右側に配置されています。左片麻痺の患者の場合、健側で身体を支え、患側を誘導しながら移乗するため、車椅子は健側、またはやや麻痺側に近い位置に配置し、健側の駆動力を利用できる体勢が望ましいです。この配置では、移乗時に身体を大きく回転させる必要があり、不安定になりやすいです。正しくは:麻痺のある患者の移乗では、健側を有効に使い、移乗距離を短くすることが基本です。車椅子は健側に近づけ、麻痺側を支持しながら移乗できる位置に配置します。選びやすい理由:健側を使うという原則から、健側に車椅子がある方が良いと誤解する可能性がありますが、実際に身体を動かす方向と一致しません。混同注意:健側主導の原則を誤って解釈し、車椅子を健側の外側に配置する選択肢を選んでしまう可能性があります。
- 3. 正解。図3では、車椅子がベッドと平行に、患者の健側(右側)のすぐそばに配置されています。左片麻痺の患者の場合、健側である右側を軸にして身体を回転させ、少ない移動距離で車椅子に移ることができます。この配置は、健側での支持を最大限に活用し、移乗時の負担を軽減する最も適切な方法です。正しくは:この配置は、健側を活用し、移乗距離を短縮し、安全に移乗するための理想的な位置です。選びやすい理由:特になし。最も適切な配置です。混同注意:他の選択肢と比較して、この配置の利点が不明瞭であると、迷う可能性があります。
- 4. 図4では、車椅子が患者の麻痺側である左側に配置されています。左片麻痺の患者が麻痺側から移乗しようとすると、支持が不安定になり、転倒のリスクが高まります。健側で身体を支えながら移乗することが困難になります。正しくは:麻痺のある患者の移乗では、健側を有効に使い、麻痺側への負担を最小限に抑える配置が必須です。選びやすい理由:ベッドのどちら側にも車椅子を配置する可能性があると考えるかもしれませんが、麻痺の状況を考慮すると不適切です。混同注意:健側と麻痺側の区別がつかない場合や、移乗の原理を理解していない場合に選んでしまう可能性があります。
国試ポイント
片麻痺患者の移乗介助における車椅子の適切な配置について問う問題です。患者の麻痺の状況を理解し、健側をどのように活用するかを考慮した上で、最も安全で効率的な配置を選択できるかがポイントとなります。移乗介助の基本原則と、患者の身体状況に応じた応用力が求められます。
混同注意
健側を活用する」という原則の解釈を誤り、車椅子を健側の外側に配置する図2や、単純にベッドの足元に配置する図1と混同しやすいかもしれません。しかし、健側を活用するとは、健側で身体を支え、健側を軸に動かすことを意味します。
次に同じ論点が出たら
この患者の移乗が安全に実施された後、車椅子での移動や臥床への再移乗時にも、同様に健側を活用した安全な介助計画を立案できるか。また、移乗時の患者の姿勢や表情の変化を観察し、必要に応じて介助方法を調整できるか。
関連知識
片麻痺患者の移乗介助では、以下の点に留意します。 1. 車椅子のブレーキを確実にかける。 2. フットレストを跳ね上げるか外す。 3. ベッドの高さを調整し、患者の足が床につくようにする。 4. 患者の健側に車椅子を近づけ、ベッドと平行または斜め前に配置する。 5. 患者に健側で車椅子のアームレストを掴んでもらう。 6. 介助者は麻痺側を支え、身体を安定させる。 7. 患者に重心を前に移動させ、健側の足で立ち上がるよう促す。 8. ゆっくりと回転させ、車椅子に深く座らせる。