成人の持続点滴静脈内注射のために選択される部位で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
成人への持続点滴静脈内注射では、日常生活への影響が少なく、血管確保が容易で、合併症のリスクが低い部位が選択されます。前腕内側は、複数の適切な静脈があり、関節の動きによる影響を受けにくく、患者の快適性を保ちやすいため、最も適切な部位とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 足背は、運動や活動によって薬液の漏出やカテーテルの抜去リスクが高まります。また、血栓性静脈炎や感染症のリスクも増加する傾向があります。正しくは:足背は運動による影響を受けやすいため、持続点滴の部位としては不適切です。選びやすい理由:緊急時や他の部位が使用できない場合に一時的に考慮されることはありますが、持続点滴の選択肢としては優先度が低いです。混同注意:足背は血管が視認しやすい場合もありますが、日常生活への影響が大きいです。
- 2. 鼠径部は感染リスクが高い部位であり、患者の身体活動によってカテーテルが屈曲したり、不快感を与えたりする可能性が高いです。また、深部静脈であり、穿刺の難易度も高まります。正しくは:鼠径部は感染リスクが高く、運動によって影響を受けやすいため、持続点滴の部位としては適切ではありません。選びやすい理由:大腿静脈は太く確保しやすいですが、一般的な持続点滴には推奨されません。混同注意:大腿静脈カテーテル留置は緊急時や中心静脈カテーテルとして選択されることがありますが、一般的な末梢点滴ではありません。
- 3. 正解。前腕内側(尺側皮静脈や橈側皮静脈など)は、適切な長さの静脈が多く、日常の動きの妨げになりにくいため、持続点滴の部位として一般的に推奨されます。肘関節に近い部位よりも、腕の動きの影響を受けにくく、日常生活の制限が少ないためです。正しくは:前腕内側は日常生活動作への影響が少なく、血管が確保しやすい安全な部位です。選びやすい理由:前腕は比較的血管が目立つため、適切と判断しやすいです。混同注意:前腕の広範囲で考えがちですが、特に手首に近い部位が良いとされます。
- 4. 肘関節付近は、関節の動きによってカテーテルが屈曲しやすく、薬液の流れが阻害されたり、痛みが生じたり、カテーテルが抜去されやすくなったりするリスクがあります。そのため、持続点滴には不向きです。正しくは:肘関節付近は関節の動きによりカテーテルが影響を受けやすいため、持続点滴の部位としては適切ではありません。選びやすい理由:正中皮静脈など太い血管があるため、穿刺しやすいという利点がありますが、持続点滴の安定性には欠けます。混同注意:採血など一時的な処置には用いられますが、持続的な留置には向きません。
国試ポイント
静脈内注射の穿刺部位選択に関する基本知識。特に、持続点滴における安全性、患者の快適性、日常生活への影響を考慮した部位選びが重要。
混同注意
一時的な静脈確保と持続点滴での部位選択の違い。一時的な採血や単回投与であれば肘関節付近も選択されやすいが、持続点滴では安定性と日常生活への配慮がより重要となる。
次に同じ論点が出たら
血管の走行、患者の年齢、病態、利き手、過去の穿刺履歴などを総合的に判断し、最適な部位を決定する能力。
関連知識
末梢静脈路確保の目的、留置期間、薬液の種類に応じた部位選択。合併症(静脈炎、血腫、感染など)のリスクと予防。