Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。 訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
経管栄養カテーテル(特に経鼻胃管)の固定位置を毎日変更することは、皮膚への局所的な圧迫や摩擦による損傷を防ぎ、皮膚トラブルを予防するために非常に重要です。適切なケアによって、患者さんの不快感を軽減し、感染リスクも低減できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 経管栄養の注入前に排便を促すという指導は一般的ではありません。注入前に排便を強制すると、患者に負担がかかる可能性があります。栄養剤注入前の確認事項としては、胃残量の確認、体位の調整、チューブの固定状態の確認などがあります。正しくは:注入前に胃残量を確認する。選びやすい理由:排便は消化器系の活動に関連するため、一見関係があるように思えるかもしれませんが、注入前のルーティンには含まれません。混同注意:胃瘻チューブの固定や管理と混同する可能性があります。
- 2. 経管栄養注入中の体位は、誤嚥のリスクを減らすために上半身を30度から45度程度挙上した座位または半座位が適切とされています。側臥位は誤嚥のリスクを高める可能性があります。正しくは:注入中は上体を30~45度挙上させる。選びやすい理由:側臥位は体位変換の一つですが、経管栄養注入時の安全な体位ではありません。混同注意:褥瘡予防のための体位変換など、他の状況での体位と混同する可能性があります。
- 3. 正解。経鼻胃管など、体外に出ているカテーテルの固定位置は、皮膚トラブル(発赤、びらん、潰瘍など)を予防するために毎日変更することが重要です。同じ場所に固定し続けると、その部分の皮膚に圧迫や摩擦が集中し、皮膚損傷を引き起こすリスクが高まります。正しくは:カテーテルは毎日固定位置を変えて皮膚トラブルを予防する。選びやすい理由:カテーテルの管理は非常に重要であり、日々の細やかな配慮が求められることを理解していれば選択しやすいでしょう。混同注意:カテーテル自体の交換頻度や、胃瘻の交換頻度などと混同する可能性があります。
- 4. 経管栄養に使用される栄養剤は、患者の栄養状態や疾患に応じて、必要な栄養素がバランス良く配合された専用のものが推奨されます。家庭での食事を液体状にしただけでは、栄養バランスが偏ったり、チューブの閉塞、細菌汚染、下痢などの問題を引き起こす可能性があります。市販の経腸栄養剤や病院から処方された栄養剤を使用すべきです。正しくは:患者の栄養状態に適した市販または処方された経腸栄養剤を使用する。選びやすい理由:「家族と同じものを」という言葉に、患者のQOL向上や食事の楽しみを考慮するような印象を受けるかもしれませんが、医学的な安全性や栄養管理の観点からは不適切です。混同注意:ミキサー食と経管栄養剤の区別、または病院食と在宅での食事の考え方を混同する可能性があります。
国試ポイント
訪問看護における経管栄養の指導では、栄養剤の準備と管理、注入方法、患者の体位、チューブやカテーテルの清潔と固定、合併症の予防と対処法など、多岐にわたる知識が問われます。特に、在宅での安全かつ継続的なケアのためには、皮膚トラブル予防のような日常的な管理の重要性を理解していることが求められます。
混同注意
経管栄養に関する指導内容の項目が多く、それぞれが持つ意味や目的を正確に把握していないと、誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。特に、体位やチューブ管理については細かい注意点が多く、混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題を通じて、経管栄養管理における看護師の役割、特に在宅でのセルフケア支援と家族指導の重要性を理解し、実践的な看護ケアに繋げられるかどうかが問われます。
関連知識
経管栄養の適応、種類(経鼻胃管、胃瘻、腸瘻など)、栄養剤の種類と選択、注入方法(間歇的、持続的)、合併症とその対策(誤嚥、下痢、便秘、チューブ閉塞、皮膚トラブル)、胃残量測定の意義、口腔ケアの重要性。