創傷の治癒過程でマクロファージによる貪食が行われるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
創傷治癒の炎症期には、好中球に続いてマクロファージが創部へと遊走し、死んだ組織、細胞の残骸、細菌などの異物を貪食して取り除きます。この作用は、その後の組織修復を円滑に進めるために不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 出血・凝固期は、血管が損傷し、血液が凝固して止血が始まる段階です。この時期の主な細胞応答は血小板凝集やフィブリン網形成であり、マクロファージによる貪食が活発に行われる段階ではありません。正しくは:出血・凝固期は止血が主な段階です。選びやすい理由:初期の段階なので、何かを処理する作用があるかのように感じるかもしれません。混同注意:出血・凝固は、炎症の前の物理的な止血と考えるとわかりやすいです。
- 2. 正解。炎症期では、血管透過性の亢進により好中球が遊走し、続いてマクロファージが組織に浸潤します。マクロファージは壊死した組織、細胞残骸、細菌などを貪食することで、創傷部位の清浄化を進めます。これは治癒過程において重要な役割を果たします。正しくは:炎症期ではマクロファージが貪食を行い、創傷部位を清浄化します。選びやすい理由:炎症という言葉のイメージから、ただの痛みや腫れと誤解するかもしれませんが、ここでは治癒に必要なプロセスです。混同注意:炎症期は、感染防御と組織のデブリードメントが行われる重要な時期です。
- 3. 増殖期は、肉芽組織の形成、線維芽細胞によるコラーゲン産生、血管新生、上皮化などが活発に行われる段階です。炎症期に続く段階であり、創傷の閉鎖と組織の再構築が主な目的であるため、マクロファージによる貪食は初期段階に比べて限定的になります。正しくは:増殖期は肉芽組織形成と上皮化が主な段階です。選びやすい理由:新しい組織が作られる段階なので、何かを『作り出す』イメージが強いかもしれません。混同注意:増殖期は、細胞が増えて組織が作られる段階です。貪食は炎症期に完了していることが多いです。
- 4. 成熟期(リモデリング期とも呼ばれます)は、増殖期に形成された組織が再構築され、瘢痕組織が強化される段階です。コラーゲンの架橋形成や再配列が起こり、創部の引張強度が向上します。この段階では、マクロファージの活動はさらに低下し、主に組織の形態的な変化が中心となります。正しくは:成熟期は瘢痕組織の再構築と強度向上が主な段階です。選びやすい理由:最終的な治癒段階なので、全てのプロセスが完璧に行われると錯覚するかもしれません。混同注意:成熟期は、傷跡が安定していく時期であり、貪食はほとんど役割を終えています。
国試ポイント
創傷治癒の各段階(出血・凝固期、炎症期、増殖期、成熟期)における主な生理学的特徴と、それぞれの段階で中心的な役割を果たす細胞の種類と機能(特に炎症期におけるマクロファージの貪食作用)を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
各段階の活動が重複しているため、どの細胞がどの時期に最も活発に作用するのかを混同しやすいです。特に、炎症期と増殖期の区別が曖昧になりやすいですが、貪食作用は主に炎症期の特徴です。
次に同じ論点が出たら
創傷治癒が阻害される要因(感染、栄養不良、循環不全など)や、各段階で異常が生じた場合の看護介入について考える問題へと発展する可能性があります。
関連知識
創傷治癒の基本的なプロセス、炎症反応に関与する細胞(好中球、マクロファージ、リンパ球など)、サイトカインの役割、肉芽組織の形成過程、コラーゲンの種類と機能。