高齢者の自立度を手段的日常生活動作〈IADL〉尺度を用いて評価した。この尺度にある項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
IADL(手段的日常生活動作)は、買い物、料理、電話使用、家事、交通機関の利用、金銭管理、そして服薬管理など、より高次で複雑な生活活動の能力を評価します。選択肢2の「自身の内服薬管理」は、時間管理や正確性が求められるため、IADLの典型的な項目です。その他の選択肢は、ADL(基本的日常生活動作)に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 人との意思疎通は、IADLではなく、より基本的な日常生活動作(ADL)や認知機能評価の一部と見なされることが多い項目です。正しくは:IADLは、電話の使用や買い物など、社会生活に必要な動作を含みますが、基本的なコミュニケーション能力そのものは直接の項目ではありません。選びやすい理由:高齢者の自立生活においてコミュニケーションは重要であるため、IADLに含まれそうだと感じるかもしれません。混同注意:ADL(例:食事、排泄)や認知機能評価(例:見当識、記憶力)と混同しやすいです。
- 2. 正解。IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)は、食事の準備、買い物、電話使用、服薬管理など、自立した生活を送るために必要な、より複雑で高次な日常生活動作を評価するものです。服薬管理は、判断力や計画性が必要なため、IADLの典型的な項目です。
- 3. 排泄のための移動(トイレ動作)は、IADLではなく、ADL(Activities of Daily Living:基本的日常生活動作)の主要な項目の一つです。ADLは食事、排泄、入浴、着替えなど、身辺の基本的な動作を指します。正しくは:ADLは、IADLよりも基本的な生活能力を評価します。選びやすい理由:高齢者の自立度評価の重要な要素であるため、IADLに含まれると思われがちです。混同注意:ADLとIADLの区別が曖昧な場合に選びやすいです。
- 4. 階段の上り下りは、ADLの中でも特に移動能力に関連する項目であり、IADLには含まれません。移動能力はADLの一部、またはそれに関連する身体機能の評価に含まれます。正しくは:階段昇降はADL、特に移動に関する項目です。選びやすい理由:身体的な自立を示す重要な要素であるため、IADLの一部だと誤解されやすいです。混同注意:ADLや身体機能評価と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、高齢者の自立度評価に用いられるADLとIADL尺度の違いとその具体的な項目を理解しているかを問うものです。特にIADLが、ADLよりも高次の、社会生活に必要な能力を評価する点に注目させます。
混同注意
ADL(基本的日常生活動作)とIADL(手段的日常生活動作)の具体的な評価項目が混同されやすいです。ADLは食事、排泄、入浴、着替え、移動など、日常生活に不可欠な身辺の動作を指し、IADLはそれらを基盤とした、より複雑な社会的・家庭的役割を果たすための動作を指します。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、ADLとIADLの定義を明確にし、それぞれの評価項目リストを頭の中で整理できるかを確認します。特に、判断力や計画性、複数の工程を含む動作がIADLに該当するといった特徴を意識すると良いでしょう。
関連知識
ADL評価には、Barthel IndexやKatz Indexなどがよく知られています。IADL評価には、Lawton & BrodyのIADL尺度が代表的です。これらの尺度の具体的な項目や、評価結果がどのような支援計画に繋がるかまで理解することが重要です。