小児期における消化器の特徴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
新生児は、胃の噴門部の括約筋の機能が未熟であり、胃の形が縦長で、食道に対する角度が直線に近いという解剖学的特徴があるため、胃内容物が食道へ逆流しやすい。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。新生児は噴門部が未発達で括約筋の機能が未熟であり、胃の形も縦長であるため、胃内容物が食道へ逆流しやすいという生理的特徴がある。これは溢乳としてしばしば観察される。選びやすい理由:新生児の溢乳は日常的によく見られる現象であり、その生理的背景を正確に理解している受験者にとっては選びやすい選択肢。混同注意:胃食道逆流症(GERD)という疾患との混同。本選択肢は生理的な特徴を述べており、病的な状態を指すわけではない。
- 2. 乳児期のリパーゼ活性は、膵リパーゼの活性が低く、成人と同じくらい高くはない。特に乳児は膵臓の発達が未熟なため、脂肪の消化能力は成人よりも低い。正しくは:乳児期のリパーゼ活性は成人よりも低い。選びやすい理由:母乳中のリパーゼや舌リパーゼの存在により、ある程度の脂肪消化は行われるため、高いと誤解する可能性がある。しかし、膵リパーゼの活性は低い。混同注意:母乳中のリパーゼ活性。母乳自体にリパーゼが含まれているため、乳児自身の産生能力と混同しやすい。
- 3. ラクターゼ(乳糖分解酵素)の活性は、乳児期に最も高く、離乳期以降(1歳を過ぎる頃から)は徐々に低下する傾向がある。成人になると活性が消失する人もいる。正しくは:ラクターゼの活性は1歳を過ぎると急速に低下する傾向がある。選びやすい理由:乳製品を摂取し続けることで活性が維持されると考える人もいるかもしれない。しかし、一般的には離乳後に低下する生理的変化がある。混同注意:他の消化酵素(アミラーゼなど)の活性が年齢とともに上昇する変化。ラクターゼは逆の傾向を示すため注意が必要。
- 4. アミラーゼの活性は出生時は非常に低く、徐々に上昇し、成人レベルに達するのは概ね1歳頃である。12〜13歳頃はすでに成人レベルに達している。正しくは:アミラーゼの活性は1歳頃に成人レベルに達する。選びやすい理由:消化酵素の成熟に時間がかかると漠然と考えていると、12〜13歳という思春期の時期に成人レベルに達すると誤解する可能性がある。混同注意:他の消化酵素が成人レベルに達する時期(例えば、トリプシンは比較的早期に成熟するが、アミラーゼやリパーゼは遅い)。
- 5. 出生直後の腸内細菌叢は、母親の産道や皮膚、母乳などから移行した菌によって形成され始めるが、その構成は母親の腸内細菌叢と完全に一致するわけではない。環境要因や授乳方法によっても変動する。正しくは:出生直後の腸内細菌叢は母親の腸内細菌叢の構成と完全に一致するわけではない。選びやすい理由:胎児の腸は無菌状態とされ、出生後に母親由来の菌が定着するため、完全に一致すると誤解しやすい。しかし、多様な経路からの菌の獲得や環境要因が影響するため、完全な一致はない。混同注意:新生児の腸内細菌叢の形成過程。母親からの菌の移行は重要であるが、それが「完全に一致」を意味するわけではない。
国試ポイント
小児の消化器系の発達段階における生理学的・解剖学的特徴を理解する。特に消化酵素の活性や腸内細菌叢の変化、胃の機能的成熟度。
混同注意
新生児の生理的特徴(胃食道逆流のしやすさ)と、疾患としての胃食道逆流症の鑑別。また、各消化酵素の活性が成人レベルに達する時期の混乱。
次に同じ論点が出たら
小児の消化器系の問題が出題された際は、年齢によって異なる生理機能(特に消化吸収能力、運動機能)と、それに基づく特徴を判断基準とする。
関連知識
乳児期の生理的特徴:生理的黄疸、体重減少。小児期の臓器・機能の発達(呼吸器、循環器、泌尿器など)。各消化酵素(リパーゼ、ラクターゼ、アミラーゼ、トリプシンなど)の産生部位と役割。