感染徴候のない創部の治癒を促進する要因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
感染兆候のない創傷治癒において、湿潤環境を維持することは、細胞の遊走と増殖を促進し、肉芽組織の形成と上皮化を助けるため、治癒を効果的に促進します。乾燥は細胞活動を阻害し、痂皮形成を促して治癒を遅らせます。
選択肢ごとの解説
- 1. 圧迫は、出血や浮腫の軽減には役立ちますが、直接的に創傷治癒を促進する主要な要因ではありません。過度な圧迫は血流を阻害し、治癒を妨げる可能性もあります。正しくは:出血の管理や浮腫の軽減に用いる。選びやすい理由:外傷処置でよく行われるため、治癒全体に良い影響があると思われがち。混同注意:止血や浮腫軽減の目的と、治癒促進の目的。
- 2. 痂皮(かさぶた)は創部を乾燥から守るように見えますが、細胞の遊走を妨げ、治癒を遅らせる要因となります。理想的な治癒環境は湿潤です。正しくは:痂皮は乾燥によるものであり、適切な湿潤環境では形成されにくい。選びやすい理由:傷が治る過程で自然に形成されるため、治癒の証拠と誤解されがち。混同注意:創傷保護の役割と、治癒遅延の要因。
- 3. 正解。湿潤環境は、細胞の遊走、増殖、分化を促進し、肉芽形成や上皮化を助けるため、創傷治癒を効率的に進行させます。特に感染兆候がない場合に有効です。選びやすい理由:モイストヒーリングの有効性が近年広く認識されているため。
- 4. 消毒は、創部の感染予防や治療には有効ですが、感染兆候のない清潔な創傷に対して日常的に行うと、組織細胞に障害を与え、治癒を遅らせる可能性があります。正しくは:感染が疑われる場合や感染予防の初回処置に限定して使用を検討する。選びやすい理由:「傷には消毒」という一般的なイメージが強いため。混同注意:感染創の処置と、非感染創の治癒促進。
- 5. 浮腫は、組織の過剰な水分貯留であり、創傷治癒を阻害する要因となります。組織への酸素供給を妨げたり、感染リスクを高めたりする可能性があります。正しくは:浮腫は治癒を阻害するため、軽減を目指すべき病態である。選びやすい理由:炎症反応の一部として起こるため、治癒過程の一環と誤解されがち。混同注意:炎症反応の初期段階と、治癒阻害因子。
国試ポイント
創傷治癒の基本原則(特に湿潤環境の重要性)を理解しているか。
混同注意
乾燥環境と湿潤環境が創傷治癒に与える影響。湿潤環境は感染リスクを上げるという誤解。
次に同じ論点が出たら
創傷治癒を促進する因子を問われた場合、感染の有無を確認し、感染がない場合は湿潤環境の維持が最も重要であると判断する。
関連知識
モイストヒーリング(湿潤療法)、滲出液の管理、被覆材の種類と選択(ハイドロコロイド、ポリウレタンフィルムなど)。