感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
聴覚と平衡感覚は、いずれも内耳に存在するリンパ液(外リンパ液、内リンパ液)の動きが、音の振動や身体の動きによって有毛細胞を刺激し、電気信号に変換されることで感覚として知覚されます。音の振動は蝸牛内のリンパ液を、頭の動きや傾きは三半規管や前庭のリンパ液を動かし、それぞれが固有の感覚受容メカニズムを形成しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 嗅覚は、鼻腔上部にある嗅上皮の嗅細胞が空気中の化学物質(匂い分子)を直接受容することで生じます。リンパ液の動きは直接関与しません。正しくは:嗅覚は、嗅細胞が匂い分子を化学受容することで感知されます。選びやすい理由:感覚器の一つであるため、体内の液体の動きが関わるのではないかと思われがちですが、メカニズムは異なります。混同注意:味覚や聴覚など、他の感覚と混同する可能性があります。
- 2. 正解。聴覚は、音の振動が外耳から中耳を経て内耳に伝わり、内耳の蝸牛内のリンパ液(外リンパ液、内リンパ液)を振動させることで、有毛細胞が刺激され音として感知されます。リンパ液の動きが音の受容に不可欠です。
- 3. 味覚は、舌にある味蕾の味細胞が、唾液に溶けた化学物質(味物質)を直接受容することで生じます。リンパ液の動きは直接関与しません。正しくは:味覚は、味細胞が味物質を化学受容することで感知されます。選びやすい理由:唾液という体液が関与するため、リンパ液と混同する可能性があります。混同注意:嗅覚と同様に化学受容であるため、同じカテゴリと考えることができますが、リンパ液の関与はありません。
- 4. 振動感覚は、皮膚や深部組織にあるマイスナー小体やパチーニ小体などの機械受容器が、直接的な物理的振動を感知することで生じます。リンパ液の動きは直接関与しません。正しくは:振動感覚は、皮膚の機械受容器が物理的振動を感知します。選びやすい理由:聴覚や平衡感覚が物理的な動きに関わるため、振動感覚も関連するように感じられるかもしれませんが、メカニズムは異なります。混同注意:聴覚や平衡感覚のように物理的な刺激を感知する感覚と混同する可能性があります。
- 5. 正解。平衡感覚は、内耳の三半規管や前庭(卵形嚢、球形嚢)にあるリンパ液(特に内リンパ液)の動きが、身体の傾きや頭部の回転に伴って有毛細胞を刺激することで感知されます。リンパ液の動きが平衡感覚の受容に不可欠です。
国試ポイント
内耳の構造と機能に関する知識が問われています。特に、聴覚と平衡感覚におけるリンパ液の役割を理解しているかどうかが重要です。他の感覚との受容メカニズムの違いを正確に把握している必要があります。
混同注意
聴覚や平衡感覚が物理的な刺激(音波や重力、加速度)を感知する感覚であるため、振動感覚も同じようなメカニズムと誤解しやすいですが、振動感覚は皮膚などの機械受容器によるものでリンパ液は関与しません。また、化学受容である嗅覚や味覚との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、内耳のリンパ液の異常によって生じる症状(例:めまい、難聴)や、それらに対する治療法などが問われる可能性があります。また、他の感覚器の受容メカニズム(視覚の光受容、体性感覚の機械受容・温痛覚受容など)についても比較して理解を深めることが重要です。
関連知識
内耳の構造(蝸牛、三半規管、前庭)、有毛細胞の機能、リンパ液の種類(外リンパ液、内リンパ液)とそれぞれの組成の違い、メニエール病などリンパ液の異常による疾患。