Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。 手術後1日。看護師が行うAちゃんの術後出血の観察方法で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
扁桃摘出術後の出血は、咽頭からの出血が主なため、唾液に血液が混じることが直接的な兆候となる。特に術後早期は、微量の出血でも唾液の性状変化として現れるため、重要な観察項目である。
選択肢ごとの解説
- 1. 口を開けても、扁桃摘出後の手術部位(扁桃窩)を直接観察することは困難であり、出血確認には不向きである。特に咽頭の奥深くにあるため、無理な観察は患者に苦痛を与えるだけでなく、吐き気を誘発する可能性もある。正しくは:直接的な観察ではなく、間接的な兆候を捉える。選びやすい理由:直接的な観察が確実だと考えがちだが、部位によっては困難。混同注意:手術部位を直接見るのが一番、という思い込み。
- 2. 正解。扁桃摘出後の出血は、唾液に血が混じることで確認できる。血液が混じった唾液の色(赤色、褐色など)や量、凝固の有無などを観察することは、術後出血の早期発見に非常に有効な方法である。正しくは:唾液の性状変化は術後出血の重要な指標となる。選びやすい理由:他の出血症状と比較して直接的な指標であり、確実性が高い。混同注意:他の一般的な術後出血の観察項目と混同しないようにする。
- 3. 扁桃摘出後の出血は主に上気道からのものであり、消化管出血ではない。出血した血液を嚥下したとしても、便として排出されるまでには時間がかかりすぎるため、術後1日目の出血の早期発見には適さない。正しくは:術後早期の出血発見には、出血部位に近い徴候を観察する。選びやすい理由:消化管出血の兆候として重要だが、このケースでは直接的ではない。混同注意:胃潰瘍などの消化管出血と混同している。
- 4. 脈拍数の増加は、出血による循環血液量減少が進行した場合にみられるバイタルサインの変化であり、出血の初期段階や少量の出血では変化が乏しい場合がある。出血の『早期発見』という点では、唾液の観察の方が直接的かつ早期に異常を察知できる。正しくは:脈拍数は出血量がある程度進んだ際の全身状態の変化として捉える。選びやすい理由:全身状態の指標として重要だが、出血の直接的な観察ではない。混同注意:出血の全身症状と、出血そのものの兆候を混同している。
国試ポイント
扁桃摘出術後の出血は、主に咽頭からの出血であることを理解し、その直接的な兆候を捉える観察方法を選択できるかが問われる。全身状態の変化(脈拍増加など)は出血量が多い場合の後期症状であり、早期発見には適さない。
混同注意
口を開けて直接視診する行為は、他の手術部位の観察では有効な場合もあるが、扁桃部位は深部にあり、開口だけでは十分な観察が困難である点を理解する必要がある。
次に同じ論点が出たら
唾液に鮮血が混じっている場合は、直ちに医師に報告し、患者の状態(顔色、呼吸、バイタルサインなど)を総合的に評価し、止血処置や輸液準備などの対応を考慮する。
関連知識
扁桃摘出術後の合併症として、出血が最も重要である。術後24時間以内と、術後7~10日頃(かさぶたが剥がれる時期)に再出血のリスクが高い。出血以外にも、疼痛、嚥下困難、嗄声などの合併症に注意が必要である。