在宅療養者の服薬の自己管理として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
お薬手帳の持参は、患者が現在服用している薬剤や既往歴、アレルギー情報を医療提供者へ正確に伝えるための重要な自己管理行動です。これにより、重複投薬や禁忌薬の処方を防ぎ、安全かつ適切な治療を受けることができます。薬を服用する行為自体も自己管理ですが、その前段階として情報管理が不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。お薬手帳は、服用中の薬や過去の薬歴、アレルギー情報などを記録し、医師や薬剤師が適切な処方を行うための重要な情報源です。自己管理を支援し、重複投薬や危険な相互作用を防ぐために不可欠な行動です。正しくは:適切です。選びやすい理由:一見すると直接的な服薬行動ではないが、服薬の自己管理を安全かつ効果的に行うための重要な側面である。混同注意:「自己管理」という言葉から、薬を飲む行為そのものに意識が向きがちだが、情報管理も重要な要素である。
- 2. これは自己管理ではなく、他者(訪問看護師)の指示や介助に依存した服薬行動です。自己管理の目的は、患者さん自身が責任を持って服薬スケジュールを把握し実行することにあります。正しくは:自己管理を促すためには、患者さん自身が服薬時刻を認識し、主体的に服用できるよう支援する必要があります。選びやすい理由:訪問看護師が関わることで確実性は高まるが、あくまで自己管理の範疇からは外れる。混同注意:訪問看護師が関与することは、服薬支援として重要だが、自己管理とは異なる。
- 3. 錠剤の粉砕は、薬の効果や吸収速度に影響を与える可能性があり、また、コーティング錠や徐放錠などは粉砕してはいけないものもあります。必ず医師や薬剤師の指示なしに行うべきではありません。正しくは:薬の形状変更は、必ず医師または薬剤師に相談し、指示を得てから行うべきです。選びやすい理由:嚥下困難な場合に砕きたくなる気持ちは理解できるが、安全性の観点から自己判断は危険である。混同注意:薬の飲みやすさを優先してしまうと、薬効の変化や有害事象のリスクを見落とす可能性がある。
- 4. 薬を複数の場所に分散して置くと、飲み忘れや重複投薬の原因となるだけでなく、紛失や誤飲のリスクが高まります。また、保管場所によって温度や湿度が異なり、品質劣化を招く可能性もあります。定位置での一括管理が望ましいです。正しくは:薬は、一箇所にまとめて、患者さん自身が管理しやすい定位置で保管することが推奨されます。選びやすい理由:「うっかり飲み忘れないように」と複数の場所に置くことを考えるかもしれないが、それがかえって混乱を招く。混同注意:便利さや飲み忘れ防止を目的とした行動が、結果的に安全性を損なう可能性がある。
国試ポイント
在宅療養における服薬自己管理の基本原則と、安全確保のための情報共有の重要性を理解しているか問う問題です。単に薬を飲むことだけでなく、適切な情報管理も自己管理に含まれることを把握している必要があります。
混同注意
選択肢2、3、4はいずれも、一見すると患者さんの利便性や行動に関連するように見えますが、医学的な安全性や自己管理の本来の目的から逸脱している点で誤りです。特に3は、嚥下困難な患者さんが安易に行ってしまいがちな行動であり、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
患者の服薬自己管理能力を評価する際、お薬手帳の利用状況を確認することは、患者の自己管理能力を測る指標の一つとなります。また、薬の保管状況や服薬方法に関する患者の理解度をアセスメントし、必要に応じて薬剤師や医師との連携を検討することが重要です。
関連知識
薬の適切な保管方法(光、温度、湿度)、一包化の意義、服薬カレンダーの活用、多職種連携による服薬支援。