児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づいて行う通告で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
児童虐待防止法では、児童の面前で行われる配偶者間の暴力(ドメスティック・バイオレンス、DV)は、児童に対する心理的虐待に該当すると明記されています。そのため、このような事態を発見した場合は通告義務の対象となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 児童虐待防止法において、通告の主な窓口は児童相談所または市町村と定められています。警察は緊急時など特定の状況下では通告先となりえますが、原則ではありません。正しくは:通告先は児童相談所または市町村が原則である。選びやすい理由:緊急性の高い事案では警察の介入が必要なため、警察に通報するという発想は自然に思えるかもしれません。混同注意:緊急を要する事態と通常の通告先を混同している可能性があります。
- 2. 児童虐待の通告は、児童の生命や身体の安全を最優先するため、守秘義務よりも通告義務が上位に位置づけられています。守秘義務を理由に通告をためらうべきではありません。正しくは:通告義務は、関係者の守秘義務に優先する。選びやすい理由:一般的に医療・福祉職には守秘義務があり、その重要性を認識しているため、この選択肢が正しく見えてしまうことがあります。混同注意:一般的な守秘義務の原則と、児童虐待通告における特例を混同している可能性があります。
- 3. 児童虐待の通告は、児童の安全確保を最優先するため、児童自身の意思の有無にかかわらず、虐待が疑われる場合には行う必要があります。意思尊重は支援の過程で重要ですが、通告の要件ではありません。正しくは:通告は、児童の意思にかかわらず、虐待が疑われる場合は行われるべきである。選びやすい理由:児童の権利擁護の観点から「意思の尊重」という言葉は正しく聞こえがちですが、通告段階では安全確保が最優先です。混同注意:児童の意思を尊重する権利と、虐待からの保護という緊急性・公益性の高い義務を混同している可能性があります。
- 4. 正解。児童虐待防止法では、目の前で配偶者間の暴力(ドメスティック・バイオレンス、DV)が行われること自体が、児童に対する「心理的虐待」と定義されています。したがって、このような状況は通告の対象となります。
国試ポイント
児童虐待防止法における通告義務の範囲、特に「心理的虐待」の具体的な内容(DV目撃など)と、守秘義務より通告義務が優先されること、そして通告の主な窓口についてが頻出論点です。児童の意思確認よりも安全確保が優先される点も重要です。
混同注意
一般的な守秘義務の原則と、児童虐待防止法における通告義務の優先順位を混同しやすいです。また、児童の意思尊重は重要な概念ですが、通告段階で最優先されるものではないという点を誤解しやすいでしょう。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、児童虐待防止法における「心理的虐待」の定義(特にDVの目撃)と、通告義務が守秘義務に優先するという原則を正確に理解しているかを確認しましょう。また、通告の主な窓口が児童相談所または市町村である点も重要です。
関連知識
児童虐待の4類型(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)とそれぞれの具体例、通告義務を負う職種(医療従事者、教師など)、通告後の児童相談所の対応、緊急一時保護などの制度。