入浴の際に血圧が低下しやすい状況はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
入浴によって全身の血管が拡張した状態で、浴槽から急に立ち上がると、重力によって下肢に血液が貯留し、脳への血流が一時的に不足します。これにより、起立性低血圧が起こりやすく、めまいや失神のリスクが高まります。これが、入浴中に血圧が低下しやすい最も典型的な状況です。
選択肢ごとの解説
- 1. この段階ではまだ全身が温まっておらず、血管拡張による血圧低下は起こりにくいです。むしろ、冷えた体にお湯がかかることで一時的に血圧が上昇することもあります。正しくは:冷えきった状態の体にお湯がかかる刺激で、一時的に血圧が上がる可能性があります。選びやすい理由:温かいお湯が体にかかることで血管が拡張し始めるという連想から、血圧が下がると誤解する可能性があります。混同注意:入浴全体のプロセスと、具体的な各段階での生理的変化を混同している可能性があります。
- 2. 浴槽に浸かっている状態では、水圧が体に加わり、心臓への静脈還流が増加するため、一時的に血圧が上昇したり安定したりする傾向があります。長時間の入浴で全身が温まりすぎると血圧が下がることもありますが、入浴直後や短時間では水圧の効果が上回ることが多いです。正しくは:水圧により静脈還流が促進され、一時的に血圧が上昇することがあります。選びやすい理由:温かい湯に浸かっていると全身の血管が拡張し、血圧が下がると想像しやすいですが、水圧の影響を考慮する必要があります。混同注意:温熱効果による血管拡張と水圧による還流増加の効果を混同している可能性があります。
- 3. 正解。浴槽から急に立ち上がることで、重力によって血液が下肢に一気に移動し(起立性低血圧)、脳への血流が一時的に不足しやすくなります。また、温かい湯で血管が拡張している状態から立ち上がるため、血圧の急激な変動が起こりやすく、低血圧を引き起こしやすい状況です。選びやすい理由:この選択肢はまさに、入浴中に起こりやすい血圧低下の典型的なシチュエーションを示しています。
- 4. この時点では、浴槽から出た直後の急激な血圧変動はすでに起こっているか、収まっている可能性が高いです。また、脱衣所が暖かい場合は、血圧の大きな変化は起こりにくいです。脱衣所が非常に寒い場合は、むしろ血管が収縮して血圧が上昇することがあります。正しくは:浴槽から出て移動する間に、血圧は比較的安定に向かうか、脱衣所の環境によって変化します。極端な寒冷でなければ、浴槽から出る瞬間の低血圧ほど典型的ではありません。選びやすい理由:寒い脱衣所に移動すると、体が冷えて何らかの生理的変化が起こると考えるかもしれませんが、血圧低下の直接的な原因としては浴槽から出る瞬間の方がより顕著です。混同注意:温度変化による体の反応と、重力による血圧変動のメカニズムを混同している可能性があります。
国試ポイント
入浴時の生理的変化と、それによって起こりうる健康リスク(特に起立性低血圧)に関する知識が問われています。身体状況の変化が血圧に及ぼす影響を理解しているか、具体的な場面と結びつけて判断できる能力が必要です。
混同注意
入浴中の水圧による効果(静脈還流促進)と温熱効果による血管拡張(血圧低下)のタイミングや程度。また、脱衣所の温度環境による影響。
次に同じ論点が出たら
入浴だけでなく、食事後、排泄時、体位変換時など、日常生活の様々な場面で起こりうる血圧変動の原因と対策について問われる可能性があります。特に高齢者や循環器疾患を持つ患者における注意点に注目しましょう。
関連知識
起立性低血圧のメカニズム、入浴が高齢者に与える影響(ヒートショックなど)、入浴時の注意点(湯温、入浴時間、介助の必要性など)。