ボディメカニクスを活用して、看護師が患者を仰臥位から側臥位に体位変換する方法で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
看護師が広い支持基底面をとることで、重心が安定し、患者の体位変換時に発生するモーメントに対して体がぐらつきにくくなります。これにより、看護師自身の筋骨格系への負担を軽減し、安全に体位変換を実施できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。支持基底面を広く取ることで、看護師の重心が安定し、患者の移動による身体の不安定化を防ぎ、安全かつ効率的に体位変換を行えます。選びやすい理由:ボディメカニクスの基本的な原則であり、直感的に安定感が増すため選びやすいです。混同注意:重心を低くすることや、患者との重心を近づけることなど、他のボディメカニクスの原則と混同しやすいですが、いずれも安定化に寄与します。
- 2. 患者の重心を看護師から遠ざけると、てこの原理により看護師にかかる負担が増大します。患者の重心は看護師に近づけるのがボディメカニクスの原則です。正しくは:患者の重心を看護師に近づける。選びやすい理由:移動距離を稼ぎたい場合などに、患者を遠くに離して動かそうと考えてしまうことがあります。混同注意:患者と看護師の物理的な距離感と、てこの原理における支点・力点・作用点の関係性を混同しやすいです。
- 3. 患者の膝を伸ばしたままにすると、体幹の回転が困難になり、ねじれや摩擦が増加し、患者の身体にも看護師の負担にもなります。膝を曲げることで、身体を小さくまとめ、回転の抵抗を減らすことができます。正しくは:患者の膝は曲げる。選びやすい理由:患者の身体をまっすぐに保つことが正しいと誤解しやすいためです。特に脊椎疾患がない場合など。混同注意:患者の安楽な姿勢と、ボディメカニクスを応用した効率的な姿勢を混同しやすいです。
- 4. 患者の体幹を肩から一気に回転させると、ねじれの力が加わり、脊椎や関節に負担がかかり、皮膚の摩擦も大きくなります。頭部から足部までを一つの塊として、身体を小さくまとめ、徐々に重心移動を伴いながら回転させることが重要です。正しくは:患者の体幹は頭部から足部までを一体として、徐々に回転させる。選びやすい理由:一気に動かすことで、短時間で完了できると考えるためです。混同注意:短時間での完了と、身体に負担の少ない安全な体位変換を混同しやすいです。また、てこの原理における「大きな筋群を使う」という原則を誤って解釈することがあります。
国試ポイント
ボディメカニクスの原則を理解し、患者の体位変換や移乗などの看護技術に応用できることが求められます。特に、安定した姿勢の保持や力の分散に関する原則は重要です。
混同注意
ボディメカニクスは重力や摩擦といった物理法則を身体に応用するものですが、単なる「楽な体勢」と混同されがちです。看護師の身体負担軽減と患者の安楽・安全確保の両立を目指す点が重要です。
次に同じ論点が出たら
体位変換や移乗に関する問題が出た場合、看護師の姿勢、患者の身体の位置、力の方向がボディメカニクスの原則に沿っているかを評価します。
関連知識
ボディメカニクスの8原則(重心を低くする、支持基底面を広くする、重心を近づける、身体を小さくまとめる、てこの原理を使う、摩擦を減らす、水平・垂直運動を利用する、大きな筋群を使う)