グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高い体位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
グリセリン浣腸を行う際、立位では重力の影響で直腸が伸展し、S状結腸との移行部が鋭角に屈曲することが多くなります。この状態でのチューブ挿入は、直腸壁に強い圧力がかかりやすく、穿孔のリスクが最も高まります。安全な浣腸実施には、直腸の自然な走行に沿ってチューブを挿入できる体位が推奨されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。立位は直腸とS状結腸が重力により伸展し、屈曲が強くなるため、グリセリン浣腸のチューブ挿入時に直腸壁に過度な圧力がかかり、穿孔のリスクが最も高まります。特に、直腸の向きが変化しやすいため、チューブが直腸壁に沿いにくくなります。正しくは:安全に浣腸を実施できる体位に変更する。選びやすい理由:一見すると安定しているように思えるが、直腸の形状からリスクが高い。混同注意:他の体位よりも自然な体位に見えるかもしれないが、直腸の解剖学的構造を考慮すると不適切である。
- 2. 仰臥位は直腸が比較的直線になりやすいため、立位に比べて穿孔のリスクは低いです。しかし、左側臥位ほど挿入しやすい体位ではありません。正しくは:左側臥位など、より安全な体位を選択する。選びやすい理由:患者が楽な体位と誤解されがち。混同注意:患者の安静を優先して選択されやすいが、浣腸には必ずしも最適ではない。
- 3. 腹臥位では肛門が見えにくく、直腸の挿入方向が分かりにくいため、穿孔のリスクが高まる可能性があります。また、患者にとっても不快な体位です。正しくは:左側臥位など、より安全で実施しやすい体位を選択する。選びやすい理由:直腸がより水平になるため良いと勘違いされることがある。混同注意:直腸が見えにくく、不適切な体位であると認識すること。
- 4. 左側臥位は、シムス位とも呼ばれ、直腸が重力によって湾曲し、S状結腸が自然に広がるため、グリセリン浣腸のチューブ挿入が最もスムーズに行える体位とされており、腸管穿孔のリスクが最も低いです。左側を下にする理由は、S状結腸の走行を考慮しているためです。正しくは:グリセリン浣腸を実施する際には、一般的に推奨される安全な体位である。選びやすい理由:最も安全な体位であるため、誤って正答として選択されやすい。混同注意:この体位が最も安全であることを理解していれば、他の選択肢がリスクが高いと判断できる。
国試ポイント
グリセリン浣腸時の体位選択に関する知識と、各体位が直腸の解剖学的構造に与える影響、およびそれによる合併症リスクの理解が問われています。特に、腸管穿孔のリスクを最小限に抑えるための適切な体位(通常は左側臥位)とその理由を把握しているかが重要です。
混同注意
各体位での直腸の形状やチューブ挿入のしやすさが混同されやすい。特に、患者の安楽性と浣腸の安全性は別々に考える必要がある。
次に同じ論点が出たら
浣腸実施前には必ず医師の指示を確認し、患者の状態(意識レベル、体位変換の可否、腹部の状態)をアセスメントする。特に高齢者や衰弱している患者、既往歴に腸疾患がある患者にはより慎重な体位選択と手技が必要となる。
関連知識
浣腸の種類(グリセリン浣腸、オイル浣腸など)、浣腸液の温度、チューブの挿入深さ、禁忌事項(急性腹症、腸閉塞など)、合併症(穿孔、迷走神経反射、出血)とその対応。浣腸実施後の排便状況の観察。