思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心理的離乳とは、思春期に子どもがそれまで親に依存していた状態から精神的に自立し、親との関係性を対等なものへと変化させていく発達過程を指します。これは思春期の重要な発達課題の一つです。設問文が示す「親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立すること」という内容は、この「心理的離乳」の定義に完全に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 自我同一性の確立は、青年期に自分は何者であるかという自己認識を確立する重要な発達課題ですが、親からの心理的自立そのものを直接的に指す言葉ではありません。心理的離乳は、自我同一性の確立を達成するための前提となるプロセスの一つと言えます。正しくは:自我同一性の確立は、青年期に自分自身の役割や価値観、方向性を明確にし、「自分は自分である」という感覚を確立することです。選びやすい理由:思春期の重要な発達課題であり、自立と関連する概念のため、正しく感じられるかもしれません。混同注意:心理的離乳と自我同一性の確立は、どちらも思春期の発達課題であり、密接に関連していますが、その意味するところは異なります。心理的離乳は主に親からの独立に焦点を当て、自我同一性は自己の確立に焦点を当てます。
- 2. 正解。心理的離乳とは、思春期において、子どもがそれまで親に依存していた状態から精神的に自立し、親との関係を対等なものへと変化させていく発達過程を指します。これは、質問文で述べられている状況に最も適切に合致する概念です。
- 3. 愛着形成は、乳幼児期に特定の養育者との間に形成される情緒的な絆を指す言葉であり、思春期の親からの精神的自立とは異なる発達段階と内容です。正しくは:愛着形成は、乳幼児期に特定の養育者との間で情緒的な絆を築くことです。選びやすい理由:親との「関係」という言葉から、関係性の概念として連想されやすいかもしれませんが、時期と内容が異なります。混同注意:愛着形成は乳幼児期の親と子の関係性における重要なテーマであり、思春期の心理的離乳とは時期も概念も異なります。
- 4. 探索行動は、子どもが周囲の環境や物事を積極的に調べ、情報を得る行動を指しますが、親からの精神的自立という特定の関係性の変化を示す言葉ではありません。好奇心や学習意欲の表れとして観察されます。正しくは:探索行動は、未知のものや周囲の環境に対し好奇心を持って主体的に関わり、調べたり試したりする行動です。選びやすい理由:思春期に自分の興味を探すという意味で、自立的な行動のように捉えられやすいかもしれません。混同注意:探索行動は行動様式の一つであり、心理的離乳は親との関係性の変化と精神的自立という発達課題を指す点で異なります。
- 5. 母子分離は、文字通り母親から物理的に離れることを指す場合がありますが、心理的な自立、特に思春期における親との関係性の変化を専門的に表現する用語としては「心理的離乳」がより適切です。また、分離不安などに関連して乳幼児期によく使われる概念です。正しくは:母子分離は、主に乳幼児期に母親と物理的に離れる状況や、それに伴う子どもの心理状態(例:分離不安)を指すことが多いです。選びやすい理由:「離れる」「分離」という言葉が、親からの独立を連想させるため、選択肢として魅力的かもしれません。しかし、心理的な側面を強調する場合には「心理的離乳」が適切です。混同注意:母子分離は物理的・一時的な離別を指すことが多く、心理的離乳は精神的・発達的な独立を指す点で異なります。乳幼児期の分離不安と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、エリクソンの発達段階における思春期(青年期)の心理的発達課題、特に親からの精神的自立に関する専門用語の理解を問うものです。各発達段階の主要な課題とその関連用語を正確に把握しているかが重要になります。
混同注意
思春期の発達課題である「自我同一性の確立」と混同しやすいですが、心理的離乳は親からの自立を、自我同一性は自己の確立を意味します。両者は関連していますが、焦点が異なります。また、「母子分離」も混同されやすいですが、心理的離乳はより精神的・発達的な独立に焦点を当てた専門用語です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、エリクソンの発達段階の他の時期(例:乳児期、幼児期、学童期)の主要な発達課題(例:基本的信頼、自律性、勤勉性)と、それに対応する専門用語(例:愛着形成、分離不安、自己肯定感)が正しく結びついているかを確認する問題が出題される可能性があります。
関連知識
エリクソンの発達段階理論(特に青年期の「同一性 vs 同一性拡散」)、マーラーの分離-個体化理論、思春期の身体的・心理的変化、青年期危機、ピアグループの影響など。