甲状腺ホルモンの分泌が亢進した状態の身体所見について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身の代謝が亢進します。この状態を甲状腺機能亢進症と呼び、特にバセドウ病が代表的です。症状としては、心拍数の増加(頻脈)、発汗の増加、体重減少、易疲労感、不眠、精神的な興奮などが挙げられます。選択肢の中で正しい身体所見は、眼球突出と手指振戦です。眼球突出はバセドウ病に特徴的な眼症であり、手指振戦は交感神経刺激によるものです。徐脈、便秘、皮膚乾燥は、甲状腺機能低下症で見られる症状であり、甲状腺機能亢進症とは逆の病態を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 甲状腺機能亢進症では、心拍数が増加し頻脈となるのが一般的です。徐脈は甲状腺機能低下症の症状です。正しくは:脈拍が速くなる(頻脈)選びやすい理由:循環器系の変化と関連するため迷いやすいですが、亢進と低下で逆の症状が出ます。混同注意:甲状腺機能亢進症と低下症の症状が混同されることがあります。
- 2. 甲状腺機能亢進症では、腸蠕動が活発になり、下痢や排便回数の増加が見られることが多いです。便秘は甲状腺機能低下症の症状です。正しくは:排便回数が増加する(下痢)選びやすい理由:消化器系の変化と関連するため迷いやすいですが、亢進と低下で逆の症状が出ます。混同注意:甲状腺機能亢進症と低下症の消化器症状が混同されることがあります。
- 3. 正解。甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病に特徴的な眼症状の一つが眼球突出です。これは、眼窩内の組織の炎症や浮腫によって引き起こされます。選びやすい理由:甲状腺機能亢進症の身体所見の中でも、特に視覚的に分かりやすい特徴です。混同注意:すべての甲状腺機能亢進症で見られるわけではないため、診断時に注意が必要です。
- 4. 甲状腺機能亢進症では、発汗量の増加により皮膚は湿潤しやすくなります。皮膚乾燥は甲状腺機能低下症の症状です。正しくは:皮膚が湿潤する(発汗増加)選びやすい理由:皮膚の変化はさまざまな疾患で見られるため、関連づけが難しい場合があります。混同注意:甲状腺機能亢進症と低下症の皮膚症状が混同されることがあります。
- 5. 正解。甲状腺ホルモンの過剰分泌は、交感神経系の亢進を引き起こし、手指の震え(振戦)として現れることがあります。これは甲状腺機能亢進症の一般的な症状の一つです。選びやすい理由:ストレスなどでも起こり得るため、見過ごされがちですが、本症では特徴的な所見です。混同注意:他の原因による振戦との鑑別が必要な場合があります。
国試ポイント
甲状腺機能亢進症と低下症の身体所見の比較と鑑別が重要です。それぞれの疾患の代表的な症状を正確に理解しておく必要があります。特に、心血管系、消化器系、皮膚、神経系の症状は頻出です。
混同注意
甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の症状が非常に類似しており、互いに逆の症状を示すため、混同しやすいです。例えば、頻脈と徐脈、下痢と便秘、湿潤皮膚と乾燥皮膚など。
次に同じ論点が出たら
患者の訴えから甲状腺疾患を疑い、適切な検査(血液検査でのホルモン値測定など)を提案できるか。
関連知識
バセドウ病、橋本病、T3、T4、TSH、交感神経系、副交感神経系、基礎代謝亢進