入院中のAさん(43歳、男性)は脳梗塞による利き手の片麻痺がある。食事の自助具を選択することを目的に、看護師が連携する病院内の専門職で優先度が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
脳梗塞による片麻痺のある患者が食事の自助具を選択する際、作業療法士が最も適切な専門職です。作業療法士は、日常生活活動の自立を支援するため、患者の残存機能や生活環境を評価し、最適な自助具の選定、使用方法の指導、環境調整などを行います。食事動作は日常生活活動の重要な要素であり、自助具の活用は自立を促す上で非常に有効です。
選択肢ごとの解説
- 1. 義肢装具士は、失われた身体機能の代替や補助のために義肢や装具を製作・適合させる専門職です。食事の自助具の選択よりも、麻痺した手足の装具製作に関わることが多いです。正しくは:義肢装具士は、主に義手や義足、装具の製作と調整を専門とします。食事の自助具選択とは直接的な関連性が低いと考えられます。選びやすい理由:麻痺による機能障害があるので、何らかの装具が必要だと考えるかもしれませんが、食事の自助具は義肢装具士の専門分野とは異なります。混同注意:義肢装具士は身体機能の補助に関わりますが、自助具の選択は作業療法士の専門領域です。
- 2. 正解。作業療法士は、身体または精神に障害のある方に対し、日常生活活動(食事、着替え、入浴など)の自立を支援するために、機能回復訓練、自助具の選定・活用指導、環境調整などを行います。食事の自助具の選択は、まさに作業療法士の専門分野です。正しくは:作業療法士は、対象者が日常生活活動を円滑に行えるよう、適切な自助具の選定や使用方法の指導を通じて支援する専門職です。選びやすい理由:最も適切であるため、他の選択肢と比較することで明確に判断できます。混同注意:理学療法士と混同されることがありますが、理学療法士は主に基本的な動作能力(歩行、起き上がりなど)の回復を目指すのに対し、作業療法士はより応用的な日常生活動作の改善を目標とします。自助具の選択は作業療法士の役割です。
- 3. 臨床工学技士は、生命維持管理装置(人工呼吸器、人工透析装置など)の操作・保守点検を行う医療機器の専門家です。食事の自助具の選択には直接関与しません。正しくは:臨床工学技士は、医療機器の専門職であり、生命維持管理装置の操作や保守を担います。自助具の選定とは役割が異なります。選びやすい理由:「工学技士」という響きから、何か道具に関わる専門家だと誤解するかもしれませんが、医療機器全般を指すわけではありません。混同注意:医療機器全般を扱うように聞こえるかもしれませんが、臨床工学技士は特定の高度な医療機器に特化しています。
- 4. 医療ソーシャルワーカーは、患者さんや家族の抱える経済的、社会的、心理的な問題に対し、相談援助や社会資源の紹介などを行う専門職です。食事の自助具の選択には直接関与しません。正しくは:医療ソーシャルワーカーは、患者さんの社会復帰や生活上の問題解決を支援する役割を担います。具体的な自助具の選定は専門外です。選びやすい理由:退院後の生活や社会的な支援を考えると重要な役割ですが、自助具の直接的な選択は行いません。混同注意:患者の生活全般を支える点で看護師と協力しますが、自助具の専門知識は持ち合わせていません。
国試ポイント
脳梗塞後のリハビリテーションにおける多職種連携、特に各専門職の役割を理解しているかが問われる問題です。日常生活活動の支援には作業療法士が中心的な役割を果たすことを押さえておく必要があります。
混同注意
理学療法士は運動機能の回復が主な役割であり、義肢装具士は装具の製作が主な役割であるため、それぞれの専門性を明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題から、多職種連携の重要性と各専門職の役割を理解する力を養うことができます。特に脳卒中リハビリテーションにおける職種ごとの具体的な関わりについて、さらに深く学習を進めることが望ましいでしょう。
関連知識
理学療法士は主に粗大運動機能(歩行、バランスなど)の回復を担当し、言語聴覚士は嚥下機能やコミュニケーション能力の改善を担当します。それぞれの専門職の役割を理解し、適切な連携を図ることが、患者のADL向上と生活の質の向上につながります。