クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
クリティカルシンキングとは、ある事柄や状況について、根拠に基づいて論理的に深く思考し、客観的に吟味するプロセスを指します。患者さんの情報に対し、感情や先入観にとらわれず、客観的なデータや科学的根拠を基に分析・解釈することは、まさにクリティカルシンキングの重要な要素です。これにより、最も適切で安全な看護実践へとつながります。
選択肢ごとの解説
- 1. クリティカルシンキングでは、患者さんの希望を尊重しつつも、それが最適なケアにつながるか、他の選択肢はないかなどを多角的に評価します。単に受け入れるだけではクリティカルな思考とはいえません。正しくは:患者さんの要望について、その背景や実現可能性、リスクなどを考慮し、最適な対応を検討する。選びやすい理由:患者中心のケアという観点からは重要に見えるが、それがそのままクリティカルシンキングとは限らない。混同注意:患者中心のケアとクリティカルシンキングの違いを混同しやすい。
- 2. クリティカルシンキングは客観的・論理的な思考であり、特定の感情的なバイアス(否定的な視点)に基づいて情報を解釈するものではありません。患者さんの言葉を公平に評価することが求められます。正しくは:患者さんの発言を先入観なく、客観的に分析し、その内容を理解する。選びやすい理由:問題点を見つけるという意味では、否定的な視点が役立つと誤解されがち。混同注意:批判的思考(Critical Thinking)の「批判的」を「否定的な」と誤解しやすい。
- 3. 正解。クリティカルシンキングの核となる要素は、与えられた情報や状況を客観的な根拠(エビデンス)に基づいて論理的に分析し、評価することです。これにより、適切な判断や意思決定が可能になります。正しくは:この選択肢はクリティカルシンキングの定義に合致しています。選びやすい理由:直接的な行動ではないため、思考過程としての妥当性が理解しにくい場合がある。混同注意:根拠に基づかない主観的な解釈と混同しやすい。
- 4. 看護師の看護観は重要ですが、クリティカルシンキングにおいては、主観的な看護観のみに基づいて患者さんの感情を分析するのではなく、客観的な情報や理論、共感的な理解に基づいた多角的な視点から分析することが求められます。個人の主観が入りすぎると、バイアスが生じる可能性があります。正しくは:患者さんの感情を、客観的な情報、看護理論、そして共感的な理解に基づいて分析する。選びやすい理由:看護観は看護師にとって重要な要素であるため、正しい選択肢に見えることがある。混同注意:看護観の重要性とクリティカルシンキングにおける客観性の必要性を混同しやすい。
国試ポイント
クリティカルシンキングの定義と、その具体的な思考プロセスを理解しているかが問われています。特に、根拠に基づいた客観的な分析・解釈がキーワードとなります。
混同注意
クリティカルシンキングは「批判的思考」と訳されるため、否定的な思考と誤解されがちですが、実際には建設的で客観的な思考を指します。また、患者中心のケアや看護観の重要性と混同し、主観的な要素をクリティカルシンキングに含めてしまう誤りも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題が解ければ、看護における情報収集・アセスメント段階でクリティカルシンキングをどのように活用すべきか、基本的な理解があると言えます。次に、特定の症例や状況設定において、実際にクリティカルシンキングを適用した具体的な看護介入の選択を問う問題に取り組むと良いでしょう。
関連知識
EBN(Evidence-Based Nursing:根拠に基づく看護)や看護過程におけるアセスメント、問題解決プロセスなどと関連が深いです。情報を収集し、分析・統合し、問題点を明確化する一連の流れにおいてクリティカルシンキングは不可欠です。