成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
胸元が濡れていると、電極パッドと皮膚の間に水が介在し、電気抵抗が増大します。これにより、除細動エネルギーが効果的に心臓に到達せず、除細動効果が減弱したり、電流が体表を伝って火傷を負う危険性があるため、電極パッド装着前に水分を拭き取ることが必須です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胸元が濡れていると除細動の電気エネルギーが皮膚表面を伝ってしまい、効果的な除細動が行えなかったり、火傷の原因となるため、電極パッドを貼る前に水分を拭き取る必要があります。選びやすい理由:AEDの安全かつ効果的な使用のために、基本的な準備段階の重要性を示しているため。混同注意:AEDは電気ショックを行うため、水に濡れた状態では感電する可能性があるという認識と混同しがちですが、除細動効果の減弱や火傷のリスクの方が主な理由です。
- 2. 電極パッドは心臓を挟むように貼付することで、電気エネルギーが心臓を通過する経路を確保します。具体的には、右胸鎖骨下と左側胸部(乳頭のやや下方、腋窩中央線付近)に貼ります。左前胸部に隣接させて貼ると、心臓を挟まず、効果的な除細動ができません。正しくは:電極パッドは、右胸鎖骨下と左側胸部に貼る(成人)。選びやすい理由:心臓の位置に関連する部位なので、正しいと誤解しやすいかもしれません。しかし、心臓を挟むように貼ることが重要です。混同注意:電極パッドの正しい貼付位置。心臓の真上や近くに貼れば良いと誤解しやすいです。
- 3. 心電図の解析中は、AEDが心臓のリズムを正確に判断する必要があるため、胸骨圧迫を含む患者への接触は中断する必要があります。解析中に揺れや動きがあると、誤った判断を招く可能性があります。正しくは:心電図の解析中は胸骨圧迫を中断する。選びやすい理由:心停止状態では胸骨圧迫を中断したくないという心理から、可能な限り続けたいと思ってしまいがちです。しかし、AEDの正確な解析のためには中断が必須です。混同注意:胸骨圧迫の中断時間を最小限にすべきという原則。AED解析中は例外的に中断が必要です。
- 4. 心拍が戻った場合でも、患者の状態が急変する可能性があり、また再除細動が必要になることもあります。電極パッドは貼付したままにしておき、医療従事者に引き継ぐまで、いつでも再除細動を行える状態にしておくのが適切です。正しくは:心拍が戻った場合でも、電極パッドは貼付したままにして医療従事者に引き継ぐ。選びやすい理由:心拍が戻れば処置が完了したと考え、不要になったものを取り除こうとする心理から、正しいと誤解しやすいです。混同注意:一時的に心拍が再開しても、不安定な状態であることを認識できず、処置が完了したと判断してしまうこと。
国試ポイント
AEDの使用手順、特に安全確保と効果的な除細動実施のための準備について理解すること。
混同注意
AEDは自動で解析・除細動を行うため、操作が簡単であるという認識から、準備段階の重要性を見落としやすい点が挙げられます。
次に同じ論点が出たら
AED使用時の準備段階における安全確保と効果的な除細動のための注意点、特に電極パッドの貼付位置、皮膚の状態、解析中の行動、心拍再開後の対応を確認して判断します。
関連知識
AEDの適応(心室細動、無脈性心室頻拍)、電気ショックの禁忌(意識のある患者)、除細動後の心肺蘇生再開の重要性、小児用AEDの使用基準と電極パッドの貼付位置。