下痢によって生じやすい電解質異常はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
下痢は消化管からの体液喪失を伴い、特に小腸分泌液に多く含まれるカリウムが大量に排出されるため、低カリウム血症を誘発しやすいです。腸管からのカリウム再吸収が阻害されることも要因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。下痢では腸管からカリウムを多く含む消化液が大量に喪失するため、体内カリウムが減少し低カリウム血症を引き起こしやすいです。選びやすい理由:下痢と電解質異常の関連性が一般的によく知られているため。混同注意:脱水による高ナトリウム血症。
- 2. 高カルシウム血症は、主に副甲状腺機能亢進症や悪性腫瘍などが原因で起こり、下痢によって直接引き起こされることは稀です。正しくは:下痢では血中カルシウム濃度は大きく変動しないか、むしろ脱水による血液濃縮で相対的に見かけ上上昇することもありますが、直接的な原因にはなりません。また、酸塩基平衡の変動によりイオン化カルシウムは影響を受けることがあります。選びやすい理由:電解質異常という括りで漠然と考えると、選択肢として考慮してしまう可能性があります。混同注意:他の電解質異常との関連。
- 3. 下痢によって水分喪失が電解質喪失よりも大きい場合、相対的に高ナトリウム血症となることもありますが、通常は水分とナトリウムがともに失われるため、必ずしも高ナトリウム血症を伴うわけではありません。むしろ、消化液は等張であるため、脱水が進むと高ナトリウム血症となる可能性もありますが、カリウム喪失の方が顕著です。正しくは:水分と電解質の両方が失われるため、必ずしも高ナトリウム血症にはなりません。高ナトリウム血症は、水分摂取不足や不感蒸泄の亢進などで水が優先的に失われた場合に生じやすいです。選びやすい理由:下痢による脱水で血液が濃縮されると、見かけ上、血中ナトリウム濃度が高くなることがあるため。混同注意:脱水全般で起こる電解質変動。
- 4. 低マグネシウム血症は下痢で起こる可能性もありますが、カリウムの喪失ほど一般的ではありません。主に吸収不良症候群やアルコール多飲、利尿薬の使用などで見られます。正しくは:低マグネシウム血症は、主に吸収不良症候群やアルコール多飲、特定の薬剤の副作用などで起こりやすく、下痢によるマグネシウム喪失はカリウム喪失に比べて限定的です。選びやすい理由:下痢でさまざまな電解質が失われることから、マグネシウムもその一つと考えるため。混同注意:他の消化器疾患に伴う電解質異常。
国試ポイント
下痢や嘔吐などの消化器症状が原因となる電解質異常とその機序を理解しておくことが重要です。特に消化液中の電解質組成を把握することが求められます。
混同注意
下痢による脱水と高ナトリウム血症の関連、腎不全による高カリウム血症など、他の病態との混同に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
下痢の原因、期間、重症度、および他の症状(嘔吐、発熱など)から、どのような電解質異常が起こりやすいかを判断します。特に消化液の組成とその喪失量を考慮します。
関連知識
下痢による脱水では、水分だけでなく電解質も失われるため、経口補水療法(ORS)が重要となります。ORSはナトリウム、カリウム、ブドウ糖を適切な割合で含むことで、水分と電解質の吸収を促進します。