尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
糖尿病、特にインスリンが不足している状態では、体はエネルギー源として脂肪を分解し、その副産物としてケトン体を生成します。このケトン体が尿中に排出されるため、尿ケトン体が陽性となります。糖尿病性ケトアシドーシスは、重篤な合併症の一つで、尿ケトン体陽性が顕著に見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝硬変では、肝機能の低下により糖新生能力が低下し、低血糖状態になることはありますが、尿ケトン体が陽性になることは一般的ではありません。むしろ、肝臓でのケトン体合成能力も低下することがあります。正しくは:肝硬変では尿ケトン体は通常陰性です。選びやすい理由:肝機能障害による代謝異常と混同するかもしれませんが、直接的な尿ケトン体陽性には繋がりません。混同注意:低血糖とケトン体生成の関係性を混同しがちです。低血糖でもケトン体は生成されますが、肝硬変では肝臓でのケトン体合成能力が低下するため、尿ケトン体陽性とはなりません。
- 2. 正解。糖尿病、特にインスリン作用が不足している場合(1型糖尿病や2型糖尿病の重症化)には、体はエネルギー源として脂肪を分解し、その過程でケトン体を生成します。このケトン体が尿中に排出されるため、尿ケトン体が陽性となります。糖尿病性ケトアシドーシスは典型例です。
- 3. 尿路感染症では、細菌感染により尿中に白血球や細菌、亜硝酸塩などが検出されますが、尿ケトン体が陽性になる直接的な原因ではありません。発熱や食欲不振が重なると二次的にケトン体が出ることがありますが、疾患の本態とは異なります。正しくは:尿路感染症の主な検査項目は白血球、細菌、亜硝酸塩などです。選びやすい理由:発熱などで食事が取れない状況が続けばケトン体が出ることがありますが、疾患自体がケトン体陽性の原因ではありません。混同注意:感染症と代謝異常を混同しやすいですが、尿路感染症自体がケトン体陽性を引き起こすわけではありません。
- 4. ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体障害により大量のタンパク質が尿中に漏れ出る疾患です(蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、高脂血症を特徴とする)。尿ケトン体とは直接的な関連性はありません。正しくは:ネフローゼ症候群では蛋白尿が特徴的です。選びやすい理由:腎臓疾患であるため、様々な尿検査異常があることを想像しがちですが、ケトン体陽性は主要な特徴ではありません。混同注意:腎臓疾患全般の尿検査異常と混同しやすいですが、ネフローゼ症候群の主要な所見は蛋白尿であり、ケトン尿ではありません。
国試ポイント
尿ケトン体は、体内で糖質がエネルギーとして利用されにくい状況(糖尿病、絶食、飢餓、過度の運動など)で、脂肪が分解されて生成されるアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の総称です。特に糖尿病の診断や病態把握において重要な検査項目です。
混同注意
絶食や飢餓状態でも尿ケトン体は陽性になりますが、選択肢にある疾患の中で最も直接的に関連し、病態の中心にあるのは糖尿病です。肝硬変や尿路感染症、ネフローゼ症候群も代謝や腎臓に関連する疾患ですが、尿ケトン体陽性を主症状とはしません。
次に同じ論点が出たら
尿ケトン体陽性の患者を発見した場合、追加でどのような検査や観察が必要かを判断できるか。
関連知識
尿糖、尿蛋白、潜血など、他の尿検査項目についてもそれぞれの疾患との関連性を理解しておくことが重要です。また、糖尿病性ケトアシドーシスの病態生理と症状、治療についても関連付けて学習すると良いでしょう。