Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
判断能力が不十分な方の場合、その方の権利や利益を保護するために成年後見制度が利用されます。成年後見人は本人の法定代理人として、医療や介護に関する意思決定に関与するため、訪問看護計画のような重要な情報については成年後見人に説明し、同意を得るのが適切です。これは個人情報保護の原則にも則り、本人の利益を最優先する行為です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。判断能力が不十分な人の権利擁護のために選任される成年後見人は、本人の財産管理や身上監護を行う法定代理人です。そのため、本人のケアに関する重要な計画は、成年後見人に説明し、同意を得ることが適切です。
- 2. 患者さんの経済状況は個人情報であり、守秘義務の対象です。民生委員は地域の相談役ですが、本人の同意なく個人情報を共有することは原則としてできません。情報共有が必要な場合は、本人または法定代理人の明確な同意が必要です。正しくは:Aさんの経済状況について民生委員と情報共有が必要な場合は、本人または法定代理人(成年後見人)の同意を得て、適切な範囲で共有する。選びやすい理由:民生委員は地域の福祉活動に携わるため、援助者としての役割があると感じやすい。混同注意:守秘義務と情報共有の範囲。
- 3. 電子メールでの個人情報のやり取りは、情報漏洩のリスクが高く、適切ではありません。特に機微な個人情報を含む医療・介護情報は、暗号化されたシステムやパスワード保護されたファイルを用いるなど、より厳重なセキュリティ対策が必要です。正しくは:Aさんの訪問記録を他の支援者と共有する際は、セキュアな情報共有システムや、パスワード保護などの適切なセキュリティ対策を講じた方法を用いる。選びやすい理由:迅速な情報共有の必要性から、手軽な電子メールを利用したくなる。混同注意:利便性とセキュリティのバランス。
- 4. Aさんのケアプランは、Aさんの個人情報であり、プライバシー保護の対象です。他の利用者に無断で見せることは、個人情報保護法および守秘義務に違反します。ケアプランを参考にする必要がある場合は、匿名化された事例を使用するか、本人の同意を得て情報提供の範囲を限定すべきです。正しくは:Aさんのケアプランは個人情報であるため、他の利用者に無断で見せることはしない。サービスの説明には、匿名化された情報や一般的な事例を用いる。選びやすい理由:具体的なケアプランを見せることで、サービス内容が伝わりやすいと考えがち。混同注意:個別性のある情報と、一般的な情報の説明。
国試ポイント
成年後見制度の役割と、判断能力が不十分な方の個人情報管理および医療・介護に関する意思決定プロセスについて理解しているか。特に、誰が本人の代理人として機能するか、そしてどのような情報が共有されるべきかを問う問題。
混同注意
地域の支援者(民生委員など)との情報共有の範囲と、成年後見人との情報共有の範囲。また、情報共有の手段におけるセキュリティの重要性。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、まず『本人の判断能力』『関係者の法的立場(法定代理人か否か)』『共有する情報の性質(個人情報か否か、機微情報か否か)』『情報共有の目的と必要性』『情報共有の手段の適切性』を総合的に判断する。
関連知識
成年後見制度(法定後見・任意後見)、個人情報保護法、医療・介護における守秘義務、インフォームド・コンセント、倫理原則(自己決定権の尊重、無危害、善行、正義)。