職業に伴う作業や環境と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
情報機器を使った作業(VDT作業)は、長時間ディスプレイを見続けることや、不適切な姿勢、照明環境などにより、眼の疲労、かすみ、痛み、ドライアイといった眼精疲労の症状を引き起こすことが医学的に広く認知されています。これは、ピント調節筋の持続的な緊張などが原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 紫外線は白内障や翼状片のリスクを高めますが、緑内障との直接的な関連は確立されていません。緑内障の主な原因は眼圧の上昇です。正しくは:紫外線を浴びること ― 白内障選びやすい理由:紫外線が眼に悪影響を与えるという認識は正しいため、何らかの眼疾患と結びつけやすいですが、具体的に緑内障と誤解されやすいです。混同注意:紫外線と白内障、あるいは紫外線による眼の他の障害(光線角膜炎など)
- 2. 正解。情報機器を使った作業(VDT作業)は、長時間のディスプレイ凝視によるピント調節筋の疲労やドライアイなどから、眼精疲労を引き起こすことがよく知られています。選びやすい理由:この組み合わせは一般的に広く認知されており、医学的にも根拠があるため、容易に正解と判断できます。
- 3. 工具や機械による振動は、手指の血管や神経に障害を引き起こし、手指のしびれ、蒼白、冷感などを特徴とする振動障害(レイノー現象)を引き起こします。熱感は典型的な症状ではありません。正しくは:工具や機械による振動 ― 手指のしびれ、冷感、蒼白(振動障害)選びやすい理由:振動が手指に影響を与えることは正しいですが、その症状として「熱感」という点が誤りです。しびれや冷感を想像しやすい一方で、末梢循環が障害される病態を「熱感」と誤解する可能性があります。混同注意:振動障害の具体的な症状(しびれ、冷感、蒼白など)と、その他の循環器系の問題
- 4. 重い物の運搬作業は、腰部に過度な負担をかけるため、腰痛や椎間板ヘルニアのリスクを高めます。骨粗鬆症は骨密度の低下を特徴とする疾患であり、主に加齢やホルモンバランスの乱れ、栄養状態などと関連し、重い物の運搬作業が直接的な原因となることはありません。正しくは:重い物の運搬作業 ― 腰痛、椎間板ヘルニア選びやすい理由:重い物を運ぶ作業が骨や関節に負担をかけるという認識は正しいため、何らかの骨の病気と結びつけやすいです。しかし、骨粗鬆症という特定の疾患とは異なります。混同注意:重量物運搬による腰痛や脊椎疾患と、骨自体の脆弱化をきたす骨粗鬆症
国試ポイント
作業環境と健康問題の因果関係、特に職業性疾患やその予防に関する知識が問われています。VDT作業と眼精疲労、振動障害、紫外線と眼疾患、重量物運搬と腰痛など、代表的な組み合わせを理解することが重要です。
混同注意
VDT作業は眼精疲労だけでなく、肩こり、首の痛み、腰痛といった筋骨格系の問題や、精神的なストレスにも関連することがありますが、設問では最も代表的な眼に関する問題として眼精疲労が挙げられています。緑内障は眼圧上昇を主な原因とする疾患であり、VDT作業との直接的な因果関係は限定的です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各作業内容が引き起こす健康問題の典型的な組み合わせをまず確認します。特に、直接的な医学的機序が明確なもの、厚生労働省のガイドライン等で職業病として認められているものに注目して判断します。
関連知識
VDT作業における健康障害の予防には、作業時間の制限、適切な休憩、ディスプレイの位置調整、照明環境の改善、定期的な眼科検診などが推奨されます。また、振動工具を使用する作業者は振動障害(レイノー現象など)のリスクがあり、重量物運搬作業は腰痛を引き起こしやすいため、適切な作業姿勢や補助具の使用が重要です。